報徳学園 選抜史上初の3元号制覇へ王手! 間木が耐え、今朝丸が締めた 31日決勝で昨年の借り返す

[ 2024年3月31日 04:45 ]

第96回選抜高校野球大会第10日準決勝   報徳学園4ー2中央学院 ( 2024年3月30日    甲子園 )

<報徳学園・中央学院>8回2死二塁、ピンチをしのいで雄叫びを上げる報徳学園・間木(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 報徳学園(兵庫)が中央学院(千葉)を4―2で振り切って2年連続の決勝に駒を進めた。背番号1の先発・間木歩主将(3年)が8回2/3を投げ、8安打2失点と力投。準優勝に終わった昨春の雪辱へ、2002年以来22年ぶり3度目で、選抜史上初の3元号制覇となる優勝に王手をかけた。

 報徳学園の二枚看板が助け合い、1年前と同じ決勝までたどりついた。間木が4―2の9回2死二、三塁と決勝進出まで「あと1人」まで試合を進め、最後の打者は背番号10の今朝丸裕喜に託した。「直球で押せるから。頼むぞ」。言葉通りに今朝丸が2球連続の直球で左飛に仕留め、2点差を守り切った。

 「最後まで投げられずに悔しいですけど、(今朝丸を)本当に信頼して見ていました」

 昨春の山梨学院との決勝では先発して4回1/3を6失点(自責5)と大舞台の雰囲気にのまれた。「ピンチになるたびに山梨学院戦を思い浮かべた。1点なら大丈夫と考えられたことが去年から成長したところ」。この日は3回まで無安打投球も、4回以降の6イニングで3者凡退は1度。我慢強さの裏には昨春の悔しさが込められていた。

 昨春は準決勝で大阪桐蔭を破り、燃え尽きた反省がある。だから28日の準々決勝で勝利後、大角健二監督は選手に「今日のことはここで終わりにしよう。去年の先輩が残してくれた失敗を繰り返したら意味がない」と伝えた。29日のミーティングでは「不動心」を掲げた。大阪桐蔭戦で1失点完投した今朝丸からは「決勝に行けるかは、おまえ次第やから」とも伝えられてマウンドへ上がった。準々決勝で強打の相手に1死球のみと勝負し続けた今朝丸に刺激を受け、自身も無四球と呼応して力投につなげた。

 二枚看板として互いに高め合ってきた。2年春の兵庫大会で今朝丸に背番号1が与えられて気付いた。「今朝丸と一緒ではあかん」。速球派の相手に対し、自身の強みは変化球だと再認識。そしてダルビッシュ有(パドレス)のYouTube動画などを参考に研究し、7種類の変化球を操るまでになった。

 昨秋の兵庫大会決勝では今朝丸が先発も、「最後は僕が締めますから」と大角監督に伝えラスト2イニングに登板した。「今日は不完全燃焼。明日も投げたいです」。歓喜の輪の中心に立つべく、最後の瞬間まで2人で刺激し合う。 (河合 洋介)

 ○…今秋ドラフト候補に上がる最速151キロ右腕の報徳学園・今朝丸裕喜が好救援を見せた。2点優勢の9回2死二、三塁、一打同点の場面で登板。140キロ台の直球を2球続け、最後の打者を左飛に打ち取った。「今までで一番、緊張した。いつでも行けるぞという心構えだった」。決勝は昨春に敗れた舞台でもある。「ここまで来たら日本一ということを意識して次も絶対勝ちたい。自分が先発したい思いはある」。1年間で成長した姿を最高の舞台で披露するつもりだ。

 ◯…報徳学園が22年ぶり3度目の選抜制覇に王手をかけた。過去2度の優勝は74年(昭49)、02年(平14)で、制覇なら昭和、平成、令和にわたる史上初の「選抜3元号制覇」となる。ちなみに春夏を問わない「甲子園3元号制覇」は、大正、昭和、平成の松山商(愛媛)、昭和、平成、令和の東海大相模(神奈川)が達成している。

 ◯…報徳学園が選抜で2年連続の決勝進出。2017、18年の大阪桐蔭以来、14校目17度目。兵庫勢では1929、30年の第一神港商、32、33年の明石中に続いて91年ぶり3校目。第一神港商は連覇、明石中は2年連続準優勝となったが、今年の報徳学園はどうか。

 ○…前年準優勝の報徳学園が決勝進出。前年準優勝校の翌年決勝進出は過去7度あるが、1938年中京商以降05年の愛工大名電まで6連勝中。報徳学園は前年準優勝校の不敗神話を継続できるか。

 ◯…報徳学園は史上7校目の選抜通算40勝目。歴代単独7位。春夏通算では68勝とした。

 ◯…報徳学園が中央学院に勝利し、同校は千葉勢との対戦を3勝0敗とした。兵庫勢と千葉勢は春夏通算18度目の対戦で兵庫勢の12勝6敗となった。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年3月31日のニュース