星稜 被災地に希望灯したベスト4 芦硲主将「夏に向けて、絶対に負けないという強い気持ちになった」

[ 2024年3月31日 04:45 ]

第96回選抜高校野球大会第10日準決勝   星稜4ー5高崎健康福祉大高崎 ( 2024年3月30日    甲子園 )

<星稜・健大高崎>試合に敗れ、足早に引き揚げる星稜ナイン(撮影・椎名 航)
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 昨秋の明治神宮大会王者として臨んだ星稜は1点差で惜敗し、石川勢初の決勝進出を逃した。新チーム結成後の連勝が16で止まり、芦硲(あしさこ)晃太主将は「夏に向けて、絶対に負けないという強い気持ちになった」と振り返った。

 芦硲には父子二代の快挙が懸かっていた。父・太輔さんは1997年春に天理(奈良)で選抜優勝しており、父子で選抜Vなら、史上初だった。準々決勝まで11打数1安打の不振で、父からは「チームのために、おまえが暗くなったらアカン」と励まされていた。2安打で奮起も及ばず「勝って恩返ししたかったけど、できなくて申し訳ない」と涙した。

 山下智将監督も、勝っていれば史上初の「監督として父子二代で甲子園大会決勝進出」だった。父で星稜名誉監督の智茂氏は、95年夏に準優勝。28日の準々決勝で勝利し、春の最高成績が8強の父を上回った時は「(父を)超えるという感覚は私には全くない」と謙遜していた。29日には星稜中が軟式野球の大会で全国制覇。“弟分”に続けなかったが、同中学出身の服部航は「大きな舞台で、しっかり自分の力を出し切れた」と胸を張った。

 元日の能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県の代表として、1回戦で敗れた日本航空石川の思いも背負って戦った。「応援していただいて、逆に力をもらった。石川県は負けないと思うので、私たちもできることをやっていきたい」と山下監督。「石川県、負けないぞ」を合言葉に躍動した4試合は、被災地の「希望の灯」になったはずだ。 (石丸 泰士)

 ○…星稜の一塁側アルプスでは、前日29日に全日本少年春季軟式野球大会ENEOSトーナメントで優勝した星稜中の選手27人とマネジャー2人が声援を送った。五田祐也監督は「優勝したら、甲子園に来ようと話していました」と、選手らへの“ご褒美”と説明。この日の試合で2安打2打点と活躍した服部航の弟・成(なる)は「(兄は)かっこいいですね。自分も、甲子園でプレーしたいという気持ちになりました」と刺激を受けた様子だった。

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