西武・おかわり 三振恐れず真骨頂の首位弾 好調打線けん引4号2ラン 三振は今季初の「3」

[ 2023年4月26日 05:30 ]

パ・リーグ   西武5ー3ロッテ ( 2023年4月25日    ZOZOマリン )

<ロ・西>初回、2ランを放つ中村(撮影・白鳥 佳樹)
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 西武の中村剛也内野手(39)が25日、ロッテ戦に「4番・DH」で先発出場し、初回に左翼席に決勝の4号2ランを放った。この日の3三振を加えてプロ野球では初の通算2000三振にあと「2」となったが、現役最多の458本塁打を誇る長距離砲はプロ入りから貫く三振を恐れないスイングで勝利に貢献。チームはロッテ、オリックスと並んで首位タイに浮上した。

 プロ野球では前人未到の「勲章」が手の届く位置にあることを、中村自身も把握していた。帰りのバスに乗り込む直前、報道陣に「あと2個?1個?」と質問。いよいよあと「2」に迫った通算2000三振についてだ。「もうちょっとで2000個目なんで頑張ります。しないように」。ホームランか三振か――。中村の魅力が詰まった一日だった。

 中村は右手を離しての空振りがほぼなく、両手で振り抜く。「本当は三振したくない」と語るが、2ストライクに追い込まれても自身のスイングを貫く。スケールの小さい、当てにいく打撃はしない。だから本塁打も三振も多い。松井監督も「三振は気にしていない」と4番を任せる。

 真骨頂だった。初回に美馬のスライダーを捉え、左翼席に先制の4号2ラン。これが決勝弾となった。その後は3つの空振り三振。今季初の1試合3三振だったが、試合前時点では53打席で5三振しかなかった。「10・6打席に1三振」のペースで昨季の「3・9打席に1三振」ペースから急激に減っていた。

 今季は使用するSSK社のバットを改良。プロ入りから初めて先端をくりぬき、操作性を上げた。試合前のフリー打撃。打撃投手のボールを普通に打てば角度のある打球が軽々とフェンスを越える。何球かに1球、遊撃の守備位置にいる滝沢を狙ってライナーを打つ。2年目の滝沢も「凄い」と驚く高度なバットコントロール。柔と剛を併せ持ち、現役最多の458本塁打を積み上げている。

 主砲が存在を示していることもあり、打線は故障の山川、源田が不在でもリーグトップの74得点。キャリアで一度も達成していない打率3割も維持する中村は「場合、状況によってしっかりした打撃をしようと思っている」と言う。チームを首位タイに押し上げたのは、長距離砲が貫く信念のスイングだった。(神田 佑)

 ≪2000三振 あと「2」≫中村(西)の通算三振数は1998となり、日本球界初の2000三振まで残り2に迫った。中村に次ぐ歴代2位は清原和博(オ)の1955三振。なお、メジャーではレジー・ジャクソン(アスレチックス)の2597を筆頭に7人が2000三振を記録。

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2023年4月26日のニュース