高校野球九州大会4強そろった! 海星&長崎日大の長崎県勢アベック出場なら史上初

[ 2022年10月27日 05:30 ]

勝利して笑顔を浮かべる高野(右)ら海星ナイン
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 高校野球九州大会第3日は26日、コザしんきんほかで準々決勝4試合が行われた。海星(長崎2位)は西日本短大付(福岡1位)に3―2で勝利し、2016年以来7年ぶりの選抜出場を有力にした。9回に田中朔太郎内野手(1年)が決勝三塁打を放った。長崎日大(長崎1位)は日本ウェルネスに(沖縄2位)11―4で7回コールド勝ちし、2年連続出場を有力にした。長崎県勢のアベック出場となれば史上初。沖縄尚学(沖縄1位)、大分商(大分2位)も28日の準決勝に進んだ。

 打球はぐんぐん伸びていった。2―2の9回2死二塁で海星は1番の田中朔太郎が右中間を破る決勝三塁打。「ローボールは見逃し、浮いてきた球はファーストストライクから打つ」というチームの狙いを遂行し、2ボールからの3球目を振り抜いた。「打てる気しかなかったです」と“猛打賞”を決める3本目の安打に胸を張った。

 田中は今夏の県大会で1年生で唯一ベンチ入り。甲子園ではベンチ外となりスタンドから声を張った。強豪・天理などを破って16強入りした姿に「先輩たちを見て自分も学ぶところがいっぱいあった」と話す。新チームでは苦手とする守備練習に時間を割き「守備には自信があります」と話すほどに成長。打撃では50メートル6秒2とチーム一番の俊足が武器だ。加藤慶二監督は「スピードがあって肩も強いし、シャープに振れる」と高評価する。

 雪辱も果たした。昨秋の九州大会は同じ準々決勝で有田工に敗れ、あと一歩で選抜出場を逃した。1年前、打線は6回を除けば毎回となる9安打を放ったが、チャンスを生かせなかった。加藤監督は「野球人生で一番こたえた試合」と語る。この日、試合前にはあの負けを知る2年生部員が下級生にこの試合の大事さを伝えていた。田中は「ノックから(昨年の負けを)意識して先輩たちを超えるようにやりました」と思いを込めたという。

 長崎日大も4強入りし、長崎勢史上初の選抜アベック出場が有力となった。加藤監督は「うれしく思う」と言いつつ、冷静に現状を分析。「(長崎1位の長崎)日大より先に負けて帰ると選抜はないと思っているので、次の試合が大事」とあす27日の準決勝へ向け気を引き締めた。ヒーローになった田中もまた、「自分は1番として攻撃でも守備でも攻めの野球をやっていきたい」と浮かれるそぶりは少しもなかった。 (杉浦 友樹)

 <長崎日大>2年連続の選抜出場を引き寄せた。背番号10の広田樹大(きだい、2年)が投打に活躍した。味方の失策も絡んで2回に2点を先制されたが、その後は緩急をつけた粘り強い投球を披露。1点を追う6回に中前に同点の適時打を放ち、その後のコールドでの勝利を呼び込んだ。「自分で取り返すつもりだった。ホッとした気持ちでいっぱい」と話した。昨秋は大敗を喫した準決勝に向け「去年の先輩たちを超える」と闘志を燃やした。

 <沖縄尚学>サヨナラ勝ちで14年以来の選抜出場を有力とした。2―2の9回1死二塁で主将の佐野春斗(2年)が左前へ劇打。地元開催でのスタンドからの大声援に応え「(ベンチ入りの)20人だけで獲れた勝利ではない。多くの人の力があったから」と目尻を下げた。次戦は海星戦。「今日の勝利に満足することなく挑みたい」と力を込めた。

 <大分商>新型コロナウイルスの影響で大会が中止になった20年以来の選抜出場に近づいた。背番号10の右腕、飯田凜琥(りく、2年)が逆転勝ちを呼び込む好リリーフだ。自己最速を3キロ更新した最速139キロの直球とスライダーを軸に4回1/31安打6奪三振と力投。「(那賀誠)監督から今まで通り投げたらおまえならいけると言われたので、自信を持って投げました」と話した。指揮官からのサインにマウンド上で首を振るなど強心臓ぶりが持ち味。飯田は「ここまで来たら優勝したい」と意気込んだ。

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