桐蔭、33年ぶり決勝進出 有本主将「練習試合でもなかった」初回一気9得点

[ 2022年7月28日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権和歌山大会準決勝   桐蔭10―0和歌山東(5回コールド) ( 2022年7月27日    紀三井寺公園野球場 )

<桐蔭・和歌山東>桐蔭1回裏2死満塁、西の走者一掃二塁打で生還し叫ぶ西尾(中央)ら
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 主将・有本健亮(3年)が「こんなこと、練習試合でもなかった」と驚く、初回9点には理由もあった。

 24日、先にベスト4を決めていた桐蔭は25日、和歌山東の準々決勝をテレビ観戦。ビデオでも研究した。「左右どちらの投手もほとんど外角ばかり。内角球は捨てていいから、踏み込んでいこうと話し合った」。6安打4四死球の13人攻撃。3番を打つ有本は先制三塁打に9点目を記す二塁打を放った。

 相手先発の左腕・田村拓翔(3年)のけん制のクセも読んでいた。谷山洸陽(3年)は「走れると思った。足を使えたのが大きい」と話した。1番の西哲希(3年)が安打、二盗して先制の生還。投手の高野東我(3年)まで二盗を決めた。主戦・麻田一誠(3年)を早々に引っ張り出し、長打を浴びせた。

 選抜出場校の和歌山東を5回コールドで下した。有本は言う。「個々の力は相手が上でも、恐れず向かっていった。全員で戦った結果です」。旧制和歌山中時代の大先輩、西本幸雄氏(故人)は語っていた。「イワシも大群になれば力が出る。みんなが力を合わせれば何でもできる」

 チームの目標は「甲子園での勝利」。決勝進出は89年以来33年ぶり。自身が生まれた年という矢野健太郎監督(32)は「甲子園で勝つには智弁和歌山や和歌山東など出場校に勝たなくてはならない。そのためにコツコツ練習してきた」。

 決勝の相手・智弁和歌山は前回決勝で敗れた因縁がある。挑戦者の古豪が21世紀枠で出た15年選抜以来、夏は86年以来の甲子園に手をかけた。 (内田 雅也)

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2022年7月28日のニュース