ロッテ・朗希、球宴の日本人最速タイ162キロ!1回3安打1失点…打たれたのは「松川のせい」!?

[ 2022年7月28日 05:10 ]

マイナビオールスターゲーム2022第2戦   全パ2-1全セ ( 2022年7月27日    松山 )

<全セ・全パ>初回、力投する佐々木朗(撮影・北條 貴史)
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 「マイナビオールスターゲーム2022」は27日、松山市の坊っちゃんスタジアムで第2戦が行われ、全パの先発を務めた佐々木朗希投手(20=ロッテ)が1回を3安打1失点。三振は奪えなかったが、14年に日本ハム・大谷(現エンゼルス)が記録した日本選手の球宴最速に並ぶ162キロをマークした。後半戦はセ、パ両リーグともに29日にスタートする。

 打たれても笑顔だった。右手中指のマメをつぶした1日の楽天戦以来26日ぶりのマウンドが、夢の球宴だった。佐々木朗は「実戦が久しぶりだったので、緊張したけど楽しかった。160キロを出せたらと思っていたので、出せてよかった」と表情を緩めた。

 初球から直球を投げ込んだ。初回の先頭・塩見に158キロをマークし、3球で三ゴロに打ち取った。2番ウォーカーの2球目には161キロを記録し、スタンドはどよめいた。4球目を中前に運ばれたが、これが162キロを計測。14年の日本ハム・大谷に並ぶ球宴での日本人最速となった。

 山田、村上に連打され、1死満塁から佐藤輝に左犠飛を許し、1回3安打1失点。全23球中21球が直球で、初球から16球連続直球を投じ、「直球勝負を期待されていたので、そういうところは見せられてよかったが、直球だけで抑えるのは難しい」。お祭りならではの投球を振り返った。

 代名詞の奪三振もなかった。テレビインタビューでは、普段は軽口を叩かない右腕が「もっと変化球を投げたかったけど、サインが出なくて…。(女房役の)松川のせいで打たれました」とロッテの後輩をジョークでいじった。実際に、佐藤輝への6球目、この日の19球目は2回首を振ってカーブを投げた。

 「令和の怪物」と呼ばれるが、子供の頃の夢はプロ野球選手ではなかった。それでも岩手県の陸前高田市で生まれ、東日本大震災後に大船渡市へ移ってさらに野球にのめり込んだ。この日は球宴仕様のブルーのグラブで登板したが、シーズン中は黄色のグラブを使う。少年時代に大好きだった楽天・田中将と同じカラーだからだ。

 球宴も一度観戦したことがある。東日本大震災復興支援の一環として、12年に岩手県営球場で行われた第3戦を少年野球チームの仲間と見た。憧れだった田中将が先発し、岩手出身のヤクルト・畠山和洋が一発を放った。

 あれから10年。佐々木朗はレッドカーペットの上を歩いて球場入りし、グラウンドでは一番の歓声を受けた。初めて訪れた愛媛・松山の景色も印象に残った。「シーズン中に見たことがないたくさんのユニホームを着たファンがいた。新鮮で楽しかった」。球宴は、やっぱり格別な舞台だ。(横市 勇)

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