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野村謙二郎氏 広島巻き返しへの提言 パの野球こそヒントに 走者を動かす仕掛けもいい

[ 2022年6月13日 07:00 ]

交流戦   広島0ー11西武 ( 2022年6月12日    ベルーナD )

野村謙二郎氏
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 広島は12日の西武戦でも0―11で惨敗し、すでに3季連続最下位(20年は中止)が決まっていた交流戦を5勝13敗で終えた。18試合制になった15年以降では、15年DeNAの14敗(3勝1分け)に次ぎ、16年オリックス(5勝)と並んで2番目の最多敗戦。貯金6で挑んだ“鬼門”で大失速し、今季ワーストの借金2まで後退した。元監督でスポニチ本紙評論家の野村謙二郎氏は、苦しめられたパ・リーグの野球から立て直しへの“ヒント”を説いた。

 交流戦18試合を通じて、打者は受け身になり、投手も大胆さを欠いたように感じた。

 どんな球が来るのか。様子見をしているうちに、どんどん追い込まれて打席が終わり、次の打席で慌てて打ちにいって変化球などでかわされた。最初に振っていっていないから、タイミングも合わない。見るだけでなく、実際にバットを振って分かることが多い。

 投手も2ストライクを取ってから次はボール球で誘って…という攻めが多かった。結果、むしろカウントを悪くして四球になる場面もあった。2ストライクからの3球目を打たれるのは、もったいない…と感じるかもしれないが、カウント2―2にしてから打たれても、安打という結果そのものは同じだ。

 パ・リーグの投手はどうだったか。2ストライクからでも遊び球はない。打てるものなら打ってみろ…と腕を思い切り振ってきた。打者も同様。状況によっては三振でも構わないと割り切り、思い切りよく振るから本塁打にもなる。かしこまったような打撃が目立った広島の各打者とは好対照だった。ダメだったことの反省は必要。同時にパの良かったところにも目を向けて、これからの自分たちに取り入れてほしい。

 投手の左右などに合わせた打線の組み替えはデータに基づいたものだとは思う。ただ、せっかく打っても、次の試合で先発を外れると、選手の気持ちは盛り上がっていかない。状態のいい選手は、ある程度、たとえば1カード3試合というスパンで継続的に起用していくのも手だと思う。

 本塁打が少ない中、序盤は打線のつながりで点を取ってきた。今は好機をつくっても、決定打がなかなか出ない。バントだけでなく、走者を動かす仕掛けがあってもいい。打てない中でのバントは貴重な1死をあげることでもある。走者に動きがなければ、相手バッテリーも打者に集中しやすくなる。

 貯金6が借金2になったことは痛いが、まだ先は長い。リーグ戦再開まで少し時間も空く。しっかり切り替えて踏ん張ってほしい。(スポニチ本紙評論家)

 ▽広島の交流戦“負のデータ”
 ★最下位 19年から3季連続(20年は開催中止)は08~10年の横浜(現DeNA)に続く2チーム目。通算6度目はDeNAの5度を抜いて最多。
 ★最多敗 13敗は15年以降の18試合制でチーム最多。
 ★連勝なし 19年から3季連続。18試合制では他に15年DeNAと19年ヤクルト。複数度は広島だけ。
 ★貧打 チーム打率.217は最下位。2本塁打、33得点は16年阪神の3本塁打、44得点を更新する交流戦ワースト。5度の零敗は11年の8度(24試合制)以来。18試合制ではチーム最多。
 ★投壊 チーム防御率4.38も最下位。最多の83失点。5勝すべてが3点差以内に対して、7点差以上の大敗は全13敗中5度で、うち2度が10点差以上。

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