日本ハム・加藤が3人目の交流戦防御率0・00 4試合26回無失点

[ 2022年6月13日 06:00 ]

交流戦   日本ハム2―0中日 ( 2022年6月12日    札幌D )

<日・中>力投する先発の加藤(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの加藤貴之投手(30)が自身初の中4日で先発し、7回6安打無失点で今季交流戦4度目の先発にして初勝利を挙げた。交流戦は全4試合で無失点を守り抜いて防御率0・00。過去3試合計19回を無失点ながら打線の無援に泣いてきた左腕にようやく勝利の女神がほほ笑み、チームも今季2度目の同一カード3連勝で交流戦を締めくくった。

 中日・柳とのしびれる投手戦。加藤はマウンド上で上沢の言葉を思い出していた。「ゼロに抑えれば負けない」。過去3試合、DeNA・今永に喫した無安打無得点試合を含む2試合が零敗で、登板時の援護点がわずか1点だった打線が、この日は2点を援護。精密機械・カドックスにはこれで十分だった。

 「本当に自分のことに集中していた。打者も一生懸命頑張っていたので、負けないように頑張りました」

 最大のピンチは1点リードの6回だった。2死走者なしからA・マルティネスに二塁打を許し、続くビシエドは敬遠気味の四球。阿部にも遊撃内野安打でつながれ、満塁とされた。しかし、「逆に開き直って投げられた」と最後は木下をフォークで遊ゴロに仕留めて本塁を踏ませなかった。清宮の適時打で追加点をもらった7回は危なげなく3者凡退に抑え、連続無失点を26回まで伸ばした。

 交流戦防御率0・00は、15年のメッセンジャー(阪神)以来で、今季の青柳(阪神)と並び3人目。防御率0・00ながら未勝利という珍記録を脱し、新庄監督は「加藤君にやっと勝ちをつけてあげることができて、ひと安しんじょうつよし」とコメントした。

 加藤の凄さを表すのが、守備の影響を受けずに投手の個人能力を測る「K/BB」(奪三振÷与四球)だ。投手の制球力と奪三振力を表す数値で、4を超えれば一流とされる中、ロッテ・佐々木朗(11・67)をも上回るリーグトップの12・00だ。本人は「たまたま」と謙虚だが、11年に2リーグ制後初の登板試合に味方が無得点で5連敗という無援記録を持つ武田投手コーチは「僕は点を取られていたけど、彼は点を取られていない。失投がない」と制球力を評価。左腕の成長について「打者を見ながら投球ができるようになったのが一番。四球を出すよりはストライクゾーンで勝負していくのが彼の良さ」と話す。

 今回は伊藤が負傷離脱した投手陣事情もあり、中4日で先発。そして安定感抜群の投球で白星をもたらした。武田コーチは「上沢、(伊藤)大海がいて、自分が左のエースだと自覚を持ってこれからより取り組んでくれると思う」と3本柱に期待。この日の投球はまさにエースたる投球だった。(東尾 洋樹)

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