トム・ハウス氏の知識とAIが融合 アプリを使った投げ方指導

[ 2022年5月14日 15:44 ]

トム・ハウス氏(2012年撮影)
Photo By スポニチ

 ノーラン・ライアンやランディ・ジョンソンを指導し、彼らのキャリアに大きなインパクトを与えたことで知られる、MLBの元投手コーチ、トム・ハウス氏(75)が、現在はアプリを通して子供たちに正しい投げ方を指導しているとニューヨークタイムズ紙が報じた。

 「マスタード」というアプリで、ハウス氏がキャリアを通して動作解析してきた何万という投球動作がデータベースに入っていて、利用者がスマホで撮影した映像を送れば、AIが分析、欠点があれば、頭の位置や股関節の使い方などを具体的に指摘。その上で、どういった練習を行えばいいかまで教えてくれる。無料で、ハウス氏の知識と経験を生かせる。

 ピッチングについて22冊の本を書き、物を投げることについては誰よりも熟知していると評判のハウス氏には、MLBの投手だけでなく、プロフットボール、NFLのトム・ブレイディのようなQBたちも、列をなして教えを乞うてきた。その彼が、アプリでの指導を始めたのには子供のスポーツへの危機感があるという。

 今現在、チームスポーツをしている子供たちが14歳になるまでに、楽しくなくなったり、上達できなかったりで、70%がやめてしまう。そこで、ひと握りのエリート選手だけでなく、みんなに正しい知識を行き渡らせ、投げることを楽しんでもらい、少しでも長くスポーツを続けて欲しいと考えた。「テクノロジーのお陰で、指導法や情報を世界中の子供たちに行き渡らせることができる」と手応えを口にしていた。

続きを表示

2022年5月14日のニュース