ソフトバンク グラ&ガル復活の兆し 王会長と藤本監督が熱血指導

[ 2022年4月14日 05:30 ]

<ソフトバンク練習>全体練習開始前、特打するグラシアル(後方はガルビス)(撮影・岡田 丈靖)         
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 助っ人が永遠のゼロ脱出の鍵を握る。30イニング無得点で3戦未勝利中のソフトバンクは13日、ペイペイドームで全体練習を行った。14日のロッテ戦を前に、不振にあえぐジュリスベル・グラシアル(36)、フレディ・ガルビス(32)の両内野手が志願のアーリーワークを実施。王貞治球団会長(81)ら首脳陣の指導を受け、復調への兆しをつかんだ。

 長髪ドレッドヘアと屈強ボディーの丸刈り頭。両助っ人は、ともにいかついが性格は実に素直で真面目。必死に不振を脱しようと、助言を聞き続けた。ガルビスが12日の試合後に13日の早出特打を村上打撃コーチに依頼し、グラシアルも賛同。全体練習の開始40分前から、ひたすら打った。

 MLB通算109本塁打を引っさげて来日した両打ちのガルビスは3月25日の開幕戦で逆転満塁弾を放ったが、全14試合で打率・122、4打点。絶不調の新助っ人に歩み寄って行ったのは王貞治会長だった。

 「いろいろ考え過ぎてしまっているので、シンプルに真っすぐ打とうよ」と声かけした。自らバットを最短で出すジェスチャーを繰り返し通訳に伝えた。

 全体練習での打撃練習。感触が明らかに変わった。右打席で29スイングし柵越え2本。左打席で22スイングし同1本。村上打撃コーチは「(今日が)一番良かったと言っていて、発見があってズレていたのが分かったと言っていた」と明かした。三塁手として堅守を披露中だが、打撃でも何かをつかんだ。
 
 5年目のグラシアルも不動の4番ながら打率・157、4打点0本塁打と不振にあえぐ。そんな36歳の大砲に助言したのが1軍打撃コーチ、2軍指揮官時代からグラシアル知る藤本監督だった。昨季5月に右手指を負傷。リハビリでシーズンを終えただけにタイミングのズレだけを指摘した。

 全体の打撃練習中に本人に伝えた。「年齢とともに、頭で思っていても体が言うことを聞かない、そこにバットが来ていないとかがある。自分の感覚と少しずれているんじゃないか?と。ボール1個、1個半、ポイントを前にすることで合ってくることもあるよ」。効果は、てきめんだった。右の打撃投手から24スイングでバックスクリーン2発を含む柵越え6本。左からは24スイングで同8本。パンチ力が増した。「打ってもらわないと打線にならない。しっかり状態を上げてもらわないと」と、藤本監督は辛口で期待した。9日の西武戦から30イニング連続無得点。打破する特効薬は両助っ人の復調だ。(井上 満夫)

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