カブス・誠也 米国でも神ってる!2打席連続アーチ 日本人最速の4試合目で1戦2発

[ 2022年4月14日 02:30 ]

ナ・リーグ   カブス2-1パイレーツ ( 2022年4月12日    ピッツバーグ )

<パイレーツ・カブス>5回、鈴木はソロ本塁打を放つ(AP)
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 カブスの鈴木誠也外野手(27)が12日(日本時間13日)、パイレーツ戦で2打席連続アーチを放った。5回に2試合連続の先制2号ソロ。7回にも3号ソロをマークし、チームの2得点全てを叩き出して勝利の立役者となった。デビューから4戦で3本塁打は日本選手では18年のエンゼルス・大谷以来2人目。4試合目での1戦2発も日本選手最速と、驚きの適応力で早くも真価を示している。

 Oh My God!広島時代に「神ってる」で流行語大賞に輝いた鈴木が、野球の本場米国でも神懸かり的な活躍だ。ナインから「Good Job!」の言葉で迎えられ「チームが勝つことができた。凄くうれしい」と破顔一笑。2日前のメジャー初本塁打の際には「負けたのでうれしさはない」と仏頂面だった。この日は自身のソロ2発で2―1で勝利。文句はない。「素直にうれしい」と思い切り目尻を下げた。

 5回無死。通算83勝左腕キンタナの90マイル(約145キロ)の直球を右中間スタンドへ。2戦連続の先制2号ソロに「追い込まれてから、しっかりスイングができた」。試合前の映像では「きれいな直球」のイメージだったが、2回の右飛では内角に食い込む印象だった。即座に修正、対応しての一発だった。

 2打席連発は積極性が生きた。7回無死で救援左腕バンダの92マイル(約148キロ)の直球を今度は左翼へ。「チェンジアップがいい。早いカウントで仕掛けないと」と狙い通りに2球目を仕留めた。ダイヤモンド一周の際、一塁を守る筒香から声をかけられ「日本の時から気に掛けてくれた、ずっと憧れている凄く好きな先輩。うれしかった」と喜んだ。

 デビューから4試合で8打点以上、4四球以上をマークするのは、1920年に打点が公式記録になってからメジャー初の快挙となった。4試合目での1試合2発も日本選手最速だ。打率・417。3本塁打は両リーグトップタイで、OPS(出塁率+長打率)は1・696と堂々のナ・リーグトップを誇る。これまで4試合、17打席で73球に対して空振りはわずかに3球しかない。「全部追いかけても打てない。自分の状態で打てるゾーンがある。そこだけはしっかり仕留めたい」――。決して深追いはせず、捨てる勇気。こう割り切れるずぶとさを持つのも鈴木の凄みだ。

 「まだ4試合。チームに求められているものであったり、そういうものをしっかり出せていけたら。結果は最後についてくる」

 God Bless SEIYA!新天地でも惑わず自分を貫く27歳。そんな姿勢が結果を呼び込み、ファンの心を捉え、そして野球の神様からも祝福される。

 ≪ボール球を振る確率2.9%≫鈴木は広島時代の昨季、「ボールゾーンスイング率」が19.8%。100打席以上立った打者ではセ・リーグトップの数字で、選球眼の良さを示す。今季も「ゾーン・コンタクト率(ストライクゾーン内の球をバットに当てる確率)」が84.2%、「チェース率(ボール球にバットを出す確率)」が2.9%で、それぞれメジャー平均の82%、28.3%よりもはるかに良い数値。ストライクを確実に仕留めている。

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