広島「日替わりヒーロー」堂林が佐々岡監督の先発抜てきに応える決勝打「結果を出す。それだけ」

[ 2022年4月14日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-1ヤクルト ( 2022年4月13日    松山 )

<ヤ・広>2回2死、菊池涼の左前適時打で生還し、ナインに迎えられる堂林(撮影・坂田 高浩)
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 広島・堂林翔太内野手(30)が13日のヤクルト戦で先発起用に応える決勝打を放った。「7番・右翼」で3試合ぶり今季3度目の先発出場した。2回に連敗阻止を後押しする先制打。右翼は末包、長野らとの競争が続く中、佐々岡真司監督(54)の抜てきが見事的中。「日替わりヒーロー」の誕生によって開幕からチームの勢いが衰えず、首位・巨人と0・5ゲーム差を維持した。

 「日替わりヒーロー」が生まれるのは、強いチームの証だ。その背景には、佐々岡監督の抜てきに応える選手の存在がある。10安打5得点の口火を切った堂林は、レギュラーではなく今季3度目の先発出場。堂林の起用に佐々岡監督は「いろいろ悩むところはあったけど…」と明かす勝負の一手が実った。

 抜てきした選手に好機で打席が回る巡り合わせも「日替わりヒーロー」が生まれる要因の一つだ。2回先頭の会沢が二塁打で出塁し、無死二塁で堂林が打席に向かった。その初球、高梨の直球を振り抜くと打球は右翼手の頭上を越え、ワンバウンドで右翼フェンスを直撃。先制の二塁打となり、これが決勝点。「チャンスだったので積極的にいった。出たところで、しっかり結果を残そうと思っていた」と1打席目から心の準備ができていた。

 外野は西川と上本がレギュラーとして出場。残り1枠は、新人の末包を筆頭に長野、堂林らで争っている。堂林の先発理由を指揮官は「相性などを考えながら決めた」と言及。とはいえ、相手先発・高梨とは試合前の時点で通算対戦成績は、堂林が14打数4安打(打率・286)、長野が16打数5安打(同・313)と大差はなし。前日12日のヤクルト戦では二塁打を放っていた末包を2試合連続で先発起用する手もあった。選択肢が多い中で指揮官の勝負勘が見事に当たり、貴重な1勝を呼び寄せた。

 メジャー移籍した鈴木が抜けた今季。開幕から17試合を終えた時点で末包、上本ら新たなヒーローが次々と生まれている。堂林が前回先発した9日の阪神戦で決勝打を放っても先発出場が続かないのは、競争が激しい印。佐々岡監督も「一つのポジションをいろいろな兼ね合いで決めている。結果を残せば使うということ」と競争の激化を歓迎した。

 チームは前夜の敗戦を引きずらずに連敗を阻止し、ともに勝利した首位・巨人に0・5ゲーム差のまま食らいついている。殊勲の堂林は「結果を残す。それだけ」と力強く言い切った。このチーム内の競争意識が開幕ダッシュを下支えしている。(河合 洋介)

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2022年4月14日のニュース