阪神開幕7連敗も 大山今季1号が光!! 巨人守護神・大勢から2ラン「チーム勇気づける一本になれば」

[ 2022年4月2日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5-6巨人 ( 2022年4月1日    東京D )

<巨・神(1)>9回、大山は2ランを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 阪神は1日、今季初の「伝統の一戦」にも敗れ、開幕7連敗で球団ワーストを再び更新した。両軍ともプロ野球初年度の1936年の復刻ユニホームで激突。0―6から反撃し、9回には大山悠輔内野手(27)が今季1号の左越え2ランを放ち、1点差まで迫った。巨人との通算の対戦成績は844勝1100敗74分け。逆襲を予感させる猛反撃だった。

 暗いトンネルの先に光がわずかに差し込んだ。3―6の9回2死二塁。大山が開幕から無失点を続けていた大勢に意地の一撃を浴びせた。低めのフォークにタイミングを外されても、下半身の粘りを効かせてバットに乗せた白球が虎党の待つ左翼席に飛び込んだ。

 「諦める理由はないですし、誰も諦めてやっている人はいない。追いつけなかったですけど、あそこで自分自身、一本打てたのは凄く大きい。あのまま終わるのと、1点差で終わるというのは違うと思うので、自分にとってもチームにとってもいい一本だったと思う」

 今季1号の2ラン。チームとしては開幕してから3発目で、3~5番の中軸からは初めて生まれたアーチだった。戻ったベンチ前でファンから募集した「虎メダル」を初めて首から掲げ、ようやく表情が和らいだ。最大6点差の大劣勢を中盤から少しずつ押し戻し、猛虎を包む重苦しい空気をわずかに軽くした。

 6年目の開幕戦は出場時では最も下位の7番で迎えた。先月30日の広島戦から5番に上がって3戦目。7回先頭では菅野の直球を中前打し、開幕から7試合連続安打へ伸ばした。

 今春は藤井康1、2軍巡回コーチの指導を受け、4スタンス理論を取り入れてきた。構える際に上半身を少し動かしながらタイミングを取るなど試行錯誤。数字の上では低調だったオープン戦から反転するように本番では好結果につなげ、新たな試みが、まずは吉と出た。

 「この一本がチームの流れを変える、チームを勇気づける一本になってくれれば。チーム的には苦しい状況ですけど、前を向くしかないですし、下を向いてもしようがない。もちろん、反省はしますけど、また明日も来るのでチーム一丸となって戦いたいと思う」

 昨年まで務めた主将の肩書は取れても、責任感は誰よりも強く大きい。開幕7連敗はリーグワースト2位タイで、過去に優勝例はない。ただ、まだ7試合しか終わっていないことも事実だ。この苦境から、どう戦い、前例を覆すのか。逆襲へ号砲を鳴らした。 (長谷川 凡記)

 【データ】阪神が球団ワーストを更新の開幕7連敗。02年に11連敗したロッテ以来20年ぶりで、セ・リーグでは79年ヤクルトの8連敗に次いで、54年広島に並ぶワースト2位。2リーグ制以降、開幕7連敗以上から優勝したチームはなく、過去7チーム中3チームが最下位に終わっている。阪神の7連敗は17年6月の8連敗以来5年ぶりで矢野監督では初めて。

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