阪神・西勇 泰然自若の精神でカープ斬り「感情を自分でコントロールしながらマウンドに上がることが大事」

[ 2022年3月29日 05:30 ]

キャッチボールで気合の表情を見せる西勇(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は29日から敵地・マツダスタジアムでの広島3連戦に臨む。初戦の先発を任された西勇輝投手(31)は28日、甲子園球場の室内練習場で最終調整。開幕3連敗を過度に意識することなく、泰然自若の精神でチームに今季初勝利をもたらす。

 西勇には重圧と期待の両方を受け止める余裕があった。ヤクルトとの開幕カードはまさかの3連敗。早くも雑音が飛び交う状況を、もちろん理解している。ただ、だからといって、自分のスタイルを変える必要はどこにもない。自身の今季開幕へ、掲げたキーワードは泰然自若だった。

 「(チームが)連敗して苦しいから何とか変えないといけないという感情を持ってマウンドに上がれば、自分が自分じゃなくなるし、1年間投げていく上でしんどい。そこ(感情)を自分でコントロールしながらマウンドに上がることが大事。多少の一喜一憂はあるが、抑えながらマウンドに上がることが1年間投げられる秘訣(ひけつ)かなと思う」

 揺るぎない感情は、万全の準備を施してきたことの裏返しでもある。開幕前、最後の実戦となった22日のオリックス2軍との練習試合は5回を2安打無失点。前哨戦となる3月8日のオープン戦でも、3回を無失点に封じた。小園やドラフト6位の末包ら若手相手には直球の対応を確認する周到ぶり。だからこそ、頼もしいコメントを並べることができるのだろう。

 「まだ始まったばかり。そんなに慌てることじゃない。そんな悲観することはないかなと思います。140試合ありますし、まだまだ取り返せる。始まったばかりなんで。だから頑張るしかないという感じですね」

 昨季は持病のぜんそくや右肘のコンディション不良などもあり、シーズンは6勝9敗に終わった。味わった屈辱は、今季を投げ抜く上での原動力。広島戦通算12勝5敗、マツダでの通算7勝3敗というデータも後押しする。春先からカーブなど変化球の握りを試行錯誤するとともに、直球の質も見直して牙を研いできた。真価が問われる22年シーズン。チームの今季初勝利をもたらすコイ斬りから、上昇に向かっていく。(長谷川 凡記)

 ○…西勇(神)は広島戦通算12勝5敗で、12勝は対セ球団の個人カード別最多。敵地のマツダも初登板したオリックス時代の11年から6連勝を飾るなど通算7勝3敗と勝ち越している。ただ、昨季は広島戦7試合で2勝4敗、マツダで1勝3敗と苦戦。好相性を取り戻せるか。

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