「たむじい」こと田村勤氏、「なべじい」こと阪神・渡辺へエール「自分を信じ、勝つことにこだわって」

[ 2022年3月29日 05:30 ]

阪神時代の田村さん

 支配下登録が決まった「なべじい」に「たむじい」がエールを送った。阪神が優勝争いを演じた92年の守護神でOBの田村勤氏(56)が、同じ左の変則リリーバー阪神・渡辺雄大投手(30)に成功の秘訣(ひけつ)を伝授した。

 支配下登録おめでとう。キャンプから「なべじい」が頑張っていることを新聞などで伝え聞いて「たむじい」としても気にしていました。これからが本当の勝負。開幕に向け、ホッとすることなく、自分の力を発揮できるように取り組んでほしいと思います。

 新潟の独立リーグからソフトバンク。そして戦力外から阪神。苦労してつかんだチャンス。これをぜひモノにしてほしいと願っています。

 阪神は注目度の高いチーム。プレッシャーはあると思うけど、それだけにやりがいのあるチーム。弱いときでも、負けているときでも応援してくれるファンがいる。熱い声援を受け止めて、自分の力に変えてほしい。

 リリーフという仕事は、調子がいいとき悪いとき関係なしに出番が来る。そして、その登板がチームの勝利に直結する。大事になってくるのは状況判断。チームの状態、ゲームの流れ、それを把握して、いかに勝ちにつなげるかが仕事。打たれても勝つことに最後までこだわれば、何とか切り抜けられる。自分の力を信じてほしい。

 巨人戦で松井秀喜とかを打席に迎えたときには、意識的に抜けている感を出したりしていた記憶がある。ネクストからの視線を感じたら、わざとバックネットに向けて投げてみたこともあった。荒れてる印象を与えることも、ひとつの駆け引き。こういうことができるときほど、調子はいいものなんだ。

 BIGBOSS新庄にも阪神時代には「たむじい」と呼ばれていた。「年上に呼び捨てはないだろ」と言ったら、翌日から「たむじいさん」になった。「なべじい」として、みんなに愛される、そして頼りにされる投球を期待しています。地元・静岡から応援してます。

 《左キラーとして期待》 22日に育成から昇格したものの、虎デビュー戦はほろ苦い結果になった。26日のヤクルト戦。先発の小川が残した6回2死一、三塁のピンチで連打を浴び、1イニング4失点に絡んだ。しかし、及川が右脇腹の筋挫傷で離脱中のため、ブルペンの左腕は岩崎と2人のみで貴重な戦力に変わりない。投球時に「ヨイショ」と口にすることから「なべじい」の愛称を持つ苦労人の30歳には、依然として、“左キラー”としての期待がかかる。

 ◇田村 勤(たむら・つとむ)1965年(昭40)8月18日生まれ、56歳。島田、駒大、本田技研を経て、90年ドラフト4位で阪神に入団。01年からオリックスへ移籍し、通算13勝12敗54セーブを記録した。02年の現役引退後は、05年に西宮市内で田村整骨院を開業。今春から拠点を地元・静岡に移した。

 ◇渡辺 雄大(わたなべ・ゆうた)1991年(平3)9月19日生まれ、新潟県出身の30歳。中越では甲子園出場なし。青学大、BC・新潟を経て17年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。20年8月31日に支配下登録され、9月4日ロッテ戦で1軍初登板。21年オフに自由契約。育成で阪神移籍。1メートル85、84キロ。左投げ左打ち。

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