九国大付・佐倉 聖地に「爪跡」残した同点打 ノーアーチの悔しさ晴らす夏へ「もっと高みを」

[ 2022年3月29日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会   九州国際大付3ー6浦和学院 ( 2022年3月28日    甲子園 )

<浦和学院・九州国際大付> 準々決勝敗退に肩を落とす九州国際大付・佐倉(中央) (撮影・後藤 大輝)
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 11年以来のベスト4は逃したが、九州国際大付の佐倉侠史朗(2年)は4番の仕事を果たした。8回だ。1点差に迫り、なおも2死満塁で直球を左前に運ぶ同点打。「1本出たことは自分の成長にもつながる」。二塁走者は本塁で憤死し、その裏の守りでチームは勝ち越された。「2年生四天王」の一角として注目を集めたスラッガーは「もっと強い打球や外野の間を抜ける当たりを打てていたら、逆転につながっていた」と唇をかんだ。

 昨秋の県大会途中から4番を打つ佐倉は甲子園への憧れを抱き続けてきた。野球を始めた小学校の頃から甲子園に立つ自分をイメージして眠ることがルーティンだった。3点差の9回に逆転サヨナラ満塁弾を放つ姿をよく想像したが、昨秋から4番を任されると「チームに貢献できる打撃がしたい」と意識が変わった。8回の一打は成長を示した一打だった。

 今大会の初戦は延長10回にサヨナラの左邪犠飛を放ったが無安打に終わった。「ホームランが頭にあった」と高めのボール球に手を出すなど大振りになっと反省。コンパクトな振りを心がけた2回戦では3安打した。楠城徹監督は「2戦目からうまく修正した。甲子園に来て一番成長したんじゃないかな」と評価した。

 初めての甲子園は3試合で11打数4安打2打点、打率・364だった。昨秋の公式戦では5本塁打を放ったがアーチを描くことはできなかった。夏へ向けて「チームの4番として成長し、もっと高みを目指して練習していきたい」と進化を誓った。 (杉浦 友樹)

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2022年3月29日のニュース