“2年生四天王”大阪桐蔭・前田「のびのび楽しく」12Kデビュー 6回1安打無失点、冬場磨いた球威発揮

[ 2022年3月29日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会   大阪桐蔭17ー0市和歌山 ( 2022年3月28日    甲子園 )

<市和歌山・大阪桐蔭>6回1安打無失点12奪三振の好投を見せた大阪桐蔭・前田(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 主役こそ打線に譲った。それでも「2年生四天王」の一角、大阪桐蔭・前田悠伍だって負けていない。今大会初登板で6回まで1安打無失点、毎回の12奪三振。「初回、点を取ってもらって気持ちが楽に入れた。いつも通りの投球ができて良かった」と打線の爆発に感謝しながら、笑みを浮かべた。

 初めて立った聖地のマウンドにも気負いはなかった。「雰囲気も景色も良く、のびのび楽しく投げられた」。立ち上がり、先頭打者・松村祥吾にファウルで粘られ10球を要したが、フルカウントからチェンジアップでバットに空を切らせて波に乗った。4回2死では4番・寺田椋太郎を3球三振に仕留めると、そこから5者連続奪三振。許した安打は2回1死の左前打1本だけで、最速143キロの直球を軸に変化球を効果的に織り交ぜ、相手打線を手玉に取った。大量点差も付き、6回86球でお役御免。自己評価は「80点ぐらい」と厳しめだったが、大勝の流れを呼び込んだ。

 昨秋に一躍、主戦投手となり、神宮大会でチームを初の優勝に導いた。さらなる高みを目指すため、冬場に磨いたのは直球の質。ブルペンでは二十数メートル離れた捕手に投げ込む練習に励んだ。本来の18・44メートルの距離に戻しても「強い球を投げられるようになった」と感覚をつかみ、大舞台でも威力を発揮した。
 4度目の春の頂点まで、あと2つ。「一人だけでは勝てない。全員の力を合わせて優勝まで導きたい」。背番号「11」の実質的エースは勝ち続ける。

 ◇前田 悠伍(まえだ・ゆうご)2005年(平17)8月4日生まれ、滋賀県長浜市出身の16歳。小2から野球を始め、高月中では湖北ボーイズでプレー。中1時にカル・リプケン12歳以下世界少年野球大会日本代表として世界一を経験。1メートル80、77キロ。左投げ左打ち。

 ◯…大阪桐蔭は前田、別所、南の3投手の継投で1安打零封リレー。選抜での継投1安打零封勝利は21年に仙台育英(古川、伊藤)が明徳義塾戦で記録して以来8度目。

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月29日のニュース