日本ハム・今川“足元見つめ直し弾”スパイク履き替え忘れの汚名返上

[ 2022年3月7日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム4―1巨人 ( 2022年3月6日    札幌D )

<日・巨>5回、本塁打を放つ今川(撮影・高橋茂夫)
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 ビッグボス流の「喝」に応えた。日本ハム・今川優馬外野手(25)が6日、巨人戦の5回にオープン戦2号ソロを放った。3日のヤクルト戦で守備用のシューズからスパイクに履き替えるのを忘れ、新庄剛志監督(50)に交代を命じられていた期待のスラッガーが、名誉挽回の一発。足元から見つめ直し、2年目で初の開幕1軍入りをアピールした。

 5回の攻撃は今川が先頭打者だった。守りを終えてベンチに戻り、しっかりスパイクに履き替えて打席へ。あとは打席に集中するだけだ。12年3冠王のタイガース・カブレラを参考にするアッパースイングで内角高めのカットボールを豪快にかち上げると、打球は左翼席へ。ベンチで新庄監督から出迎えられ、笑顔が戻った。

 「先日、自分の軽率なミスがあった中で、いま一度、足元から執念を入れ直しました」

 悔やむのは3日のヤクルト戦、同点で迎えた9回1死一塁の場面だった。気合十分にネクストバッターズサークルに控えていたが、集中し過ぎて人工芝での守備時に履くシューズからスパイクに履き替えるのを失念。それに気づいた新庄監督から「滑ってケガにつながる」と交代させられた。「投手のデータを確認して、素振りをしていたら代打を告げられた」。その瞬間は理由が分からず、「試合後にコーチから告げられて、ぞっとした。数少ないチャンスを失った」と振り返る。

 失意の今川を救ったのも新庄監督だった。前日の練習中に今川が謝罪すると、指揮官は改めて注意しつつ、現役時代に同様のミスをしたと告白。今川は「そのフォローがなければメンタルがやられていた」と感謝した。新庄監督は日頃から若手に「大丈夫、使うから。結果を恐れずに」と語りかけて背中を押しており、ここぞで若武者が奮い立った。

 新庄監督は8回には三塁コーチを務めて1万417人のファンを沸かせた。札幌ドームでは3勝1分けで4戦無敗とし、オープン戦首位をキープ。開幕前の好調から一転、シーズンで低迷した現役当時を思い起こし「俺らの時代もそういうことがあったので、そろそろ負けもつくっておかないと」と、ぜいたくな悩みも飛び出した。3年連続5位からの巻き返しへ、硬軟織り交ぜて若手に刺激を与え続けている。(東尾 洋樹)

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