広島・栗林 打者11人に3ボール一度もなし “人生初”の下半身強化が奏功「次はクイックを課題に」

[ 2022年2月18日 05:30 ]

シート打撃に登板した広島・栗林(撮影・坂田 高浩)
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 広島の栗林良吏投手(25)が進化した姿を披露した。沖縄2次キャンプ第1クール最終日の17日、今春初の実戦形式となるシート打撃に初登板。打者11人に計30球を投げて3ボールが一度もなく、課題に挙げる制球力に一定の手応えをつかんだ。ジンクス打破とさらなる飛躍を誓う2年目。新人王に輝いた守護神の視界は上々だ。

 朝から小雨が舞い、縮み上がるほど寒い沖縄・コザしんきんスタジアム。寒気を蹴散らすほどの熱を入れて栗林は投げた。気迫を前面に出し、1球を投じるたびに声を発する。今春初の実戦形式となるシート打撃に登板。手応えは上々だ。

 「自分の課題は制球力なので、まずはストライク先行を意識して投げた。取り組んできたことはできているのかな…と。制球力は良かったと思う」

 打者11人に計30球を投げて被安打3、奪三振4。1セット目は宝刀のフォークで堂林を空振り三振に斬り、カーブやカットボールの感触も確かめた。とりわけ課題の制球は感触が良く、ボール球は8球、3ボールには一度もならなかった。

 登板53試合で0勝1敗、防御率0・86の好成績を残した1年目。52回1/3で被安打23よりも与四球28の方が多かったことから、オフは制球力向上をテーマに掲げた。「人生で初めて」下半身を徹底的に強化。すぐに成果を示してみせるあたりが新人王の価値だ。

 課題もある。1セット目は打者5人を完全に抑えたものの、2セット目に入ると打者6人に3安打。今季復活する延長12回制を踏まえ「イニングまたぎのつもりで投げたけど、ボールが行っていなかった」。加えて、走者を置いた際の投球を反省材料に挙げた。

 「クイック(モーション)の時に打たれたし、走者がいる状況だとフォークも良くなかった。次はクイックを課題にやりたい」

 グラウンドコンディションが悪い中での熱投。見守った佐々岡監督は「投手陣全体が四球減を掲げている中、しっかりできている。球の強さ、切れには本人も手応えを感じているように見えるし、昨年の今ごろと比べても仕上がりはいい」と全幅の信頼を寄せた。

 「次のクール(19~23日)からは実戦が入ってくる。対打者にしっかり勝負する。結果にこだわりたい」

 2年目のジンクスを打破し、さらなる飛躍へ、視界は上々。守護神に慢心はない。(江尾 卓也)

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