ソフトバンクで絶賛奮闘中の「ゴリ!」井上朋也 愛称の理由分からずも毎日“ゴリゴリ”アピール

[ 2022年2月18日 07:45 ]

アピールを続けるソフトバンクの井上朋也
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 「ゴリン!」。北京五輪が始まったから、チーム内の士気向上のために叫ばれているのかと思ったが、違った。ソフトバンクの宮崎春季キャンプは第4クールが終了。最近、A組(1軍)が活動するアイビースタジアム内で、やたらと「ゴリ!」「ナイス! ゴリ!」「ゴリー!」との声が練習中に上がっている。矛先は巨体の三塁手。高卒2年目で初のA組に選ばれ、絶賛奮闘中の井上朋也内野手(19)に向けてだった。

 「松山コーチから言って頂きまして。何で“ゴリ”なのかは分からないんですけど」と井上は笑う。

 名付け親の松山秀明2軍内野手守備走塁コーチは、第1クール初日だった1日に、新型コロナウイルス陽性判定が出てB組を離れて療養開始。記者も同15日に、いったん宮崎を離れたため、命名理由を直撃できなかった。

 超人気バスケ漫画「スラムダンク」の湘北高主将・赤木剛憲と愛称「ゴリ」は同じだが顔も髪型も似ていない。高卒同期入団の田上奏大投手も「体がゴリゴリだからと思いますが僕も分からない」。井上は1メートル81、86キロ。田上は“ゴリマッチョ説”を提唱するが、真相はやぶの中にある。

 愛称は、同コーチ不在時のA組で急激に浸透。井上も実戦への準備を重ね、打席での存在感は増した。第4クール終了時点の紅白戦4試合で1本塁打を含む11打数5安打7打点。猛アピールを続けて、三塁手として開幕スタメンを狙っている。

 井上は花咲徳栄高(埼玉)で通算50本塁打を放ち、20年ドラフト1位で入団。21年秋のキャンプでは王貞治球団会長に「右手のひらで握らず、指で握れよ」と助言を受け、利き手のバットの持ち方を変えた。その教えを朝からひたすら体に染みこませ、結果、内容として残し続けている。

 5日から始まったアーリーワークに水谷と早朝6時に起床し、自主参加。17日時点でオフの2度と12日の計3日しか休んでいない。藤本監督は強打だけでなく、努力も評価している。「僕からは何も言ってない。ずっと必ず(朝練習に)出ている。僕もすごいなーと思うし(打撃も)いい感じ。このままいったらチャンスあるよね」。目的や課題は明確で、井上は五里霧中ではない。指揮官も宮崎で、ゴリに夢中だ。

 どこでも、誰にでも、ゴリゴリにアピールするから「ゴリ」と呼ばれるようになったのかもしれない。何かのルーツがあるとみている。休日消化後にもう1度、宮崎に戻るので真っ先に聞いてみようと思う。(記者コラム・井上満夫)

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