サイド転向で世界が一変!JR東海・宮本佳汰 大阪桐蔭で裏方だった右腕が大学4年で衝撃デビュー

[ 2021年10月7日 05:30 ]

JR東海・宮本佳汰投手
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 【無名の逸材 いざ表舞台へ】高校時代はベンチ入りさえできなかった男が「サクセスストーリー」を歩もうとしている。JR東海の宮本佳汰は、大阪桐蔭での3年間はケガなどもあり裏方のデータ班を務めた苦労人。進学した東京国際大でサイドスローに転向したことで“風向き”が変わった。

 「世間の人たちに“大阪桐蔭にこんな選手いたの?”と驚いてもらえたらうれしいです」

 東京五輪のスポーツクライミング女子複合で銅メダルを獲得した野口啓代のトレーナーを務めた叔母の有吉与志恵さんの協力を得て大学2年を前にした3月、体の回転軸が横軸であることを知った。これをきっかけに横手投げに挑戦すると徐々に制球難が解消され球速も自己最速を更新。リーグ戦初登板となった4年春の東京学芸大戦で衝撃のデビューを飾った。創価大・田中正義(現ソフトバンク)以来、史上9人目のノーヒットノーラン。「世界がガラッと変わりました」。秋には151キロを計測し、社会人への道が開けた。JR東海でも経験を積み、今月4日に都市対抗野球出場も決まった。

 データ班として過ごした高校時代を今ではプラスに捉えることもできるようになった。

 「当時は悔しくて、いら立ちもあった。でも結果的に良かった。この選手はこうだから良い、悪いというのが分かりますし、それを自分に当てはめることもできる」

 夢は高校の同期でエースだった田中誠也(現大阪ガス)とプロで投げ合うこと。「そうなったら、本当に最高だと思います」。自分だけでなく、戦友とともに名前が呼ばれることを信じて待つ。(北野 将市)

 ◇宮本 佳汰(みやもと・けいた)1998年(平10)3月20日生まれ、福岡県北九州市出身の23歳。本城小4年から八幡イーグルボーイズで野球を始め捕手。同い年のオリックス・大下とバッテリーを組んだ。本城中では水巻ボーイズでプレー。大阪桐蔭では3年間ベンチ入りなし。東京国際大では4年春にリーグ戦デビューし通算2勝。JR東海では1年目から出場。1メートル83、88キロ。右投げ右打ち。

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2021年10月7日のニュース