阪神・ロハス　3試合ぶり先発起用に“一発回答”で応えた！　苦杯デビュー戦の地で大変身ぶり

セ・リーグ   阪神2－0DeNA （ 2021年10月6日    横浜 ）

＜D・神24＞4回、先制2ランを放つロハス（撮影・島崎忠彦）
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　横浜の夜空に本来の力を証明するアーチがかかった。まさに値千金。先制、そして決勝の右越え2ランは「6番左翼」で3試合ぶりに先発起用された阪神のロハス・ジュニアのバットから生まれた。

　「今日は打撃練習の段階からずっと感じも良かった。強く打てる球を待って、いいスイング、いい打球が打てた。結果的には大きな点になったんで、非常に満足しているよ」

　0―0の4回1死一塁。2ボールから大貫のカットボールを振り抜いた。滞空時間の長い大飛球は“アーチスト”ならではのもの。負けられないV争いが続くチームを5連勝に導いた。

　始まりも横浜からだった。昨季の韓国MVPで今季の主砲候補と目されたが、コロナ禍で来日が遅れ、5月8日の敵地・DeNA戦で虎デビュー。ただ、異例の急仕上げで適応できず、デビュー戦は4打数無安打2三振。その後も一向に調子が上がらないまま6月2日に打率・057で2軍落ちとなった。

　それでも鳴尾浜でも持ち前の明るさを失わず、若虎と気さくに交流。2軍戦でも守備、走塁で全力プレーを見せてきた。メジャー好きの佐藤輝にはメジャー・リーグ選手が使うメーカーのソックスをプレゼント。一丸となって優勝を目指すチームの輪の中にしっかり溶け込んでいる。

　あの苦いデビュー戦となった横浜での初アーチが決勝の7号2ラン。6回は四球、8回には右翼線二塁打で3度出塁した。「チームの勝ちに貢献するために来ているし、それが仕事と思っているので」。期待された数字は残せなくとも、やれることがあるのは百も承知だ。

　なかなか6番が固定できなかった矢野監督にとってもうれしい活躍。「適時打、適時打というのが簡単には出ないんで。本塁打というのは今、大きな得点源」。苦しんできた助っ人の一発を、さらなる加速材料としたい。（山添　晴治）

　○…6番ロハス（神）が決勝の7号2ラン。今季の先発6番打者はシーズン通算打率・251で、9月以降の28試合では同・214と低迷。本塁打も、不振で4番から下がっていた大山が9月8日ヤクルト戦で放って以来、22試合ぶりだった。