“ミスター・オクトーバー”阪神・西勇 逆転優勝へ「死に物狂いで」6回零封! 自身の連敗3で止めた

[ 2021年10月7日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-0DeNA ( 2021年10月6日    横浜 )

<D・神(24)>6回、ソトから空振り三振を奪い、雄たけびを上げる西勇(撮影・島崎 忠彦)
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 阪神・西勇輝投手(30)が6日のDeNA戦で6回無失点で6勝目をあげた。10月はオリックス時代を含め先発で11勝(1敗)で「ミスター・オクトーバー」を思わせる無類の強さを誇る。1ゲーム差で追う首位ヤクルトと優勝を争う中で、頼もしい男が復調を遂げた。チームは5連勝で両リーグ最速で70勝に到達。2年ぶり9度目のクライマックスシリーズ(CS)進出も決めた。

 10月の声を聞くと、見えない力が湧いてくるのだろうか。虎の「ミスター・オクトーバー」が苦しい中で粘り切った。西勇は6回を投げ7安打を浴びながらも無失点。自身のDeNA戦の連敗を3で止め、通算100勝目をあげた9月10日以来の6勝目を手にした。

 「開き直りもありましたし、最後は“絶対に抑えてやるぞ”と強い気持ちを持って投げました。普段はもっといろんな考えを持って投げていますが、今日は死に物狂いで投げた。0点という結果でよかった」

 初回以外は毎回走者を許す展開。中でも「みんな2点を取られると思ってたでしょうが…」とヒーローインタビューで虎党の笑いを誘った4回の粘りは見事だった。先頭の楠本、牧に連打を許し無死二、三塁を招いたが宮崎を一ゴロ。ソトを詰まらせて投ゴロとし飛び出した三塁走者を挟殺プレーでアウトにして2死一、三塁。最後は大和を内角チェンジアップで左飛に仕留め無失点で切り抜けた。

 「高さを間違えることなく、決め球を低めに丁寧に投げることができた。野手の方々も守備でもり立ててくれたのでよかったです」

 無失点で終えたのは4月14日の広島戦(8回無失点)以来、実に登板20試合ぶり。9月まで後半戦は1勝3敗、防御率5・54と低調で、練習では福原投手コーチやキャッチボール相手を務めたブルペン捕手と毎日のように意見交換。客観的な意見も参考に試行錯誤を重ねてきた。それが10月を迎え一変。昨季も10月は4勝(1敗)で防御率1・18。オリックス時代も含めて10月は先発試合では通算11勝1敗と無類の強さを誇る。

 「1年通してチームに貢献できたというのが自分の中では少ない。残り試合は大事な試合が続く。西がいてよかったなと。勝ちを呼び込める投球なり姿を見せていく」

 チームは5連勝で1ゲーム差で首位を行くヤクルトをピタリ追走。逆転Vへ、そして、その先に待つポストシーズンへ――。エースが本来の姿を取り戻しつつある。(長谷川 凡記)

 ▽ミスター・オクトーバー メジャーで本塁打王を4度獲得し、殿堂入りを果たしたレジー・ジャクソンの異名。ヤンキース時代の77年ワールドシリーズでは3勝2敗で迎えた第6戦に全て初球打ちで3打席連続本塁打を記録し、チームを15年ぶりの世界一に導いた。ここから転じて、10月に行われるポストシーズンの大舞台に強い選手を示す代名詞としても使われる。

 ○…阪神は2年ぶり9度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。セのCSは昨季、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で実施されなかったため、2年ぶりの開催となる。5連勝で両リーグ一番乗りの70勝に到達。シーズン70勝は、78勝で2位だった17年以来で矢野監督となった19年以降では初めて。

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