ヤクルト、5連勝で3年ぶりCS決めた!GT6連戦見据え“高津の兵法” 先発中5日、方程式は3連休

[ 2021年10月7日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3ー0巨人 ( 2021年10月6日    神宮 )

<ヤ・巨>巨人に勝利し両手を広げてナインを出迎える高津監督(中)=撮影・久冨木 修
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 ヤクルトは6日、巨人戦で5投手による5安打無失点継投で勝利。5連勝で、18年以来3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出が確定した。高津臣吾監督(52)による投手起用の妙で、巨人、阪神と戦う6連戦を連勝でスタート。1ゲーム差のまま首位をキープし、貯金は21となった。 

 ベンチプレスのように、両拳を握り何度も胸の前で前後させた。5投手で9つゼロを並べる快勝。勝利の瞬間、高津監督は気持ちの高ぶりを隠すことはなかった。「全力で戦った結果、成果だと思います」。起用に応えた選手を称えた。

 接戦は想定内だった。中5日の先発サイスニードが5回を無失点に抑えると、直後に2点を先制した。すると90球だった右腕から迷いなく、スパッと継投策へ。石山、今野、清水、マクガフとつないだ救援陣がパーフェクトリリーフで巨人打線を沈黙させ、逃げ切っての連勝に成功した。

 「高津の兵法」がピタリだ。今週は優勝を争う3位・巨人、2位・阪神との神宮での6連戦。指揮官は「みんな頑張ってもらう1週間だと思っているので、先発ピッチャーにはちょっと無理してもらって」と前日の小川に続いてサイスニードも今季初の中5日での投入だった。一方で、救援陣は大一番に向けリフレッシュ休暇を与えた。勝利の方程式の清水、マクガフは1日の広島戦に登板後「3日間休ませよう」と土日は温存し、試合のなかった月曜も含め3連休。勝負の6連戦に向け休養十分だった。

 前夜から2戦連続無失点で応えた2人も含め、今季の救援陣には連投は3日連続までと決めていた。長丁場のシーズンを見据え、疲労軽減を優先。だが、この勝負の1週間は「リリーフは毎日投げる覚悟でマウンドに上がってくれていると思います」と4連投解禁も構想にある。

 恩師の故野村克也元監督は著書にもある「弱者の兵法」でヤクルトを強化。「己を知る」ことからはじまり、相手をどう倒すかなどを説いた戦術論のひとつだ。野村監督の下で守護神として黄金期を支えた指揮官。「僕はもう全身、野村監督の野球でできている」とメジャーも経験した高津流のスパイスも加えた「高津の兵法」で、9月以降のチーム防御率はリーグ2位の中日の3・36に大差の2・52、10月の救援防御率は驚異の0・60だ。

 ベンチと選手が一体になった勝利。高津監督は「勝つことしか考えてない。どんな手を使ってでも、出し惜しみすることなく、悔いを残すことなく、全力で戦いたいなと思います」と最善手を打ち続ける。(青森 正宣)

 《最短マジックは8日》セは首位のヤクルト、2位の阪神がともに勝ったため、ヤクルトの最短マジック点灯日は1日延びて8日になった。ヤクルトが7日の巨人戦と8日の阪神戦に○→○、△→○の場合は、阪神の今日の勝敗によってM11か12が点灯。また、ヤクルトが7日と8日○→△、△→△、●→○の場合も、阪神が7日●でM12が出る。なお、7日の試合でヤクルトが●、阪神が○の場合は8日の点灯がなくなり、最短点灯日は9日となる。

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2021年10月7日のニュース