広島・堂林 連敗止めた先制V撃 苦手松葉攻略の口火二塁打 「はい上がろうと思って」183日ぶり打点

[ 2021年10月7日 05:30 ]

セ・リーグ   広島7-3中日 ( 2021年10月6日    バンテリンD )

<中・広24>初回1死一塁、堂林は先制の左中間適時二塁打を放つ(撮影・椎名 航)
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 広島は6日の中日戦に7―3で快勝し、連敗を4で止めた。「3番・一塁」で先発した堂林翔太内野手(30)が初回に左中間へ先制二塁打を放ち、難敵・松葉攻略への口火を切った。投げては九里亜蓮投手(30)が6回3失点でハーラートップに並ぶ11勝目。守護神・栗林は9回途中からの救援で29セーブ目を挙げ、新人の連続試合セーブ記録を12に更新した。

 鮮やかすぎる速攻だった。今季4度の対戦で3勝を献上する、難敵・松葉の出はなをくじいた長短4安打3得点。主砲・鈴木誠が3試合連続でスタメンを外れる中、3番・一塁で先発した堂林が先制点を叩き出し、チームを勢いづけた。

 「なかなかチームに貢献できていなかったので、ほんの少しですが、いい打点になったのかなと思います」

 初回1死から小園が中前打で出塁。フルカウントからの6球目、外角高めのチェンジアップに食らいついた堂林の打球は、敵地の左中間を深々と割った。小園が長駆生還し、スコアボードに「1」が刻まれた。

 「何とかバットに当てて、次の(西川)龍馬にという思いでいった結果、いい所に飛んだ。いいタイムリーになって良かったです」

 4月6日のヤクルト戦以来、実に183日ぶりの打点だった。堂林は1点差に迫られた6回無死一塁でも魅せる。カウント1―1からボール球の高め直球を打って三ゴロ。走っていた小園を二塁へ進め、菊池涼の2点三塁打をお膳立てした。

 昨季8年ぶりに規定打席に到達し、一層の飛躍を誓った12年目は再び苦難のシーズンを送る。7番・サードで開幕を迎えながら不振が続き、出場61試合で打率・189、0本。だが、2度の抹消があっても決して腐らず、練習に励んできた。

 「これもまた勉強。“はい上がろう”と思って取り組んできましたし、若い選手と一緒に練習して得るものも多かったと思います」

 苦境でも常に前を向く姿勢は尊い。ストイックで実直な堂林らしい。そんな30歳の活躍に佐々岡監督は「今季はなかなか調子が上がらない中、巡ってきたチャンスでしっかりと結果を残してくれたのは大きい」と称えた。

 「今季は不本意? それは終わってから振り返ればいい。残り試合が少ないので、今は一試合一試合を必死にやって、悔しがるのは終わってからでいいかなと思います」

 言葉をかみしめ、前を見つめる堂林。表情には勝利に貢献した安ど感がにじんでいた。(江尾 卓也)

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2021年10月7日のニュース