日本ハム、コロナ禍で活動停止&試合中止…最短7日からの試合再開目指す

[ 2021年5月3日 05:30 ]

4月30日の試合前に円陣を組む日本ハムナイン(撮影・高橋 茂夫)
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 プロ野球は2日、臨時実行委員会を開き、日本ハムで計10人の新型コロナウイルス感染が判明したことを受け、3日からのロッテ―日本ハム3連戦(ZOZOマリン)を中止することを決めた。日本ハムは札幌市保健所の指示を受け、当面は1軍の全体での活動を停止。5日に再検査を受けて最短で7日の楽天戦(札幌ドーム)からの試合再開を目指すが、さらなる感染拡大の可能性もあり不透明な状況が続く。

 コロナ禍のチームにさらなる衝撃が走った。公式戦期間中ではプロ野球で初となる活動停止。札幌市内の球団事務所で対応した川村浩二球団社長兼オーナー代行は「疫学調査、濃厚接触者の調査をしなければならない。いったん、チーム活動を止めて5日に検査をして、仮に陽性者が出たとしてもその方だけを外せば結果的に早くチーム活動を再開できるという提案を(札幌市の保健所から)受けた。遠征先で迷惑を掛けても駄目」と説明した。

 4月30日に中島、西川、清水の3選手の感染が判明。西武にサヨナラ勝利を決めた1日の試合後にR・ロドリゲス、高浜、郡、今川、飯山1軍内野守備コーチ、2人のチームスタッフが陽性と判定され、2日の同戦の中止も決まった。変異株かどうかは現時点で不明。川村球団社長は名前こそ伏せたが、さらに複数の選手が濃厚接触の可能性があるとして自主隔離している事実も明かした。感染経路も調査中で「(大人数での会食など)判明している事実はない。選手はルールを守ってきたと理解している」と祈るように語った。

 チームは5日の再検査で問題がなければ活動を再開し、最短で7日の楽天戦から試合再開を目指す方針。だが今後も感染が拡大する可能性はあり、停止期間は現時点では「無期限」とも言える。試合再開についても6日の臨時実行委員会で協議される見込みでこちらも不透明な状況だ。「大変ではあるけど、どんどん延期していくというわけにもいかない」と川村社長。この日の西武戦からチームは4試合連続の中止となった。「ウィズコロナ元年」だった昨季でさえ中止は8月2日のソフトバンク―西武戦の1試合だけ。今後も中止が相次げば日程消化の問題が表面化する。

 今季は主力選手の低迷に加えて外国人選手の来日も遅れ、30試合を消化して最下位。2軍の本拠地が千葉・鎌ケ谷ということもあり前日はベンチ入りメンバー22人で戦い、9回に3点差からサヨナラ勝利を決めた。浮上の兆しも見せた直後の活動停止。「第4波」で猛威を振るう変異株は感染力が高いとされる。昨季は手探りながら120試合を完遂したプロ野球が、再び難しい局面を迎えている。

 【日本ハムのコロナ集団感染経過】

 ▽4月30日 福岡遠征から一夜明け、札幌ドームに到着時に西川、中島が検温で微熱、清水が喉の痛みを申告。PCR検査の結果、コロナ陽性が判明。濃厚接触の可能性がある浅間を含め、4選手を登録抹消。鶴岡、杉谷、宇佐見、平沼を代替指名選手として登録し、予定通り試合を開催。

 ▽5月1日 今川が再検査の対象で登録抹消も西武戦は開催し、杉谷の押し出し四球でサヨナラ勝利。だが試合終了から2時間半後に計7人が陽性判定。安全を確保できないと判断し、翌2日の同戦中止を決めた。

 ▽同2日 12球団臨時実行委員会で協議の結果、3~5日のロッテ戦(ZOZOマリン)の延期が決定。チームは同市保健所の指示に従い、安全確認が取れるまで全体での活動を停止。

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