DeNA・桑原“運命のV弾” 前日オースティンのビジョン弾“名前直撃指名”に応えた!?

[ 2021年5月3日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA8―7ヤクルト ( 2021年5月2日    横浜 )

<D・ヤ>8回、ソロ本塁打を放ちガッツポーズする桑原(撮影・村上 大輔)
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 オースティンが導いた「運命弾」とも言える。DeNA・桑原がこん身の力を込めて放った打球が右翼席最前列に吸い込まれる。背番号1の元気印は「出塁を考えていたけど手応えはあった。皆さんの声援も後押ししてくれた」と笑顔を見せた。

 値千金の2号決勝弾は7―7の8回。清水が投じた146キロの直球を逆方向に運んだ。その26時間前。前日1日の同戦の初回にオースティンが規格外のパワーを披露して大型ビジョン上部を直撃する146メートル弾を打った。ちょうど当たった場所は1番で出場していた「桑原」の名前。まるで「指名」されたかのような一発を一塁ベンチから見届けていた。飛距離は42メートルも及ばない104メートルだが文句なしの決勝弾。「ホームランは試合の流れも変えるし、野球の魅力ですよ」と胸を張った。

 今季は開幕から苦しい戦いが続く三浦監督は桑原について「負けが込んでいる時も盛り上げ、下を向かない」と高く評価する。4月27日の広島戦前の円陣でドラフト2位の牧が声出しでナインの士気を高めようとしたが不発。するとすかさず桑原が円陣の中心に入って場を盛り上げ、最後には「行くぞーっ」と右腕を突き上げた。4月の10連敗期間中だった18日・巨人戦での6回の中堅守備では岡本和のライナーを捕球しようと前方に飛び込んだが捕球できずにボールは転々。三塁打としてしまった。決して無理する場面ではなかったが、指揮官は「桑原の気持ちは大事にしたい」と語っていた。

 これで今季初の2カード連続勝ち越し。大型連休に入った29日から3勝1敗となり、5月は12球団で唯一の2連勝だ。「勝ててよかった。みんなハッピーだと思います」と桑原。身長1メートル74の小兵が放った殊勲弾。その背中は、助っ人外国人のように大きく見えた。(大木 穂高)

 《4点差逆転は政権下最大》DeNAが4点差をはね返しヤクルトに逆転勝ち。今季の逆転勝利は5度目だが、これまでは全て1点差。4点差以上の逆転勝利は昨年10月18日巨人戦(0―5→○10―6)以来。三浦政権下では最大逆転勝利となった。2、3回に は戸柱が2打席連続本塁打。自身1試合2本塁打は初めてで、連発ももちろん初。チームの捕手で1試合2本塁打以上は03年5月23日巨人戦で中村武志が2回と5、7回の連続打席アーチを合わせ3本塁打して以来18年ぶりだ。

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2021年5月3日のニュース