ロッテ・朗希を槙原寛己氏が直撃!初登板は「90点以上」理想は「160キロのコントロール投手」

[ 2021年3月14日 06:30 ]

佐々木朗希×槙原寛己氏 新旧剛速球対談

アクリルボード越しに手を合わせる佐々木朗(左)とスポニチ本紙評論家・槙原寛己氏(撮影・長久保 豊)
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 160キロをコントロールし、日本最速投手へ――。スポニチ本紙評論家の槙原寛己氏(57)が13日、ZOZOマリンで衝撃の実戦デビューから一夜明けたロッテ・佐々木朗希投手(19)を直撃インタビューした。前日の中日とのオープン戦(同)で1回を完全に抑えた投球を振り返りながら、最速で163キロを誇る球速への考え方にも鋭く切れ込んだ。この模様は同日深夜のTBS系列「S☆1」でも放送された。

 ◆初登板の点数は「90点以上」

 槙原氏 「ナイスピッチングでした。一番、印象的だったのは『楽しかった』という言葉だった」

 佐々木朗 「最後、(ビシエドを)三振に取ってベンチに帰る時、『楽しかったな』という思いがこみ上げてきたので」

 槙原氏 「その気持ちが大切だよね。特にビシエドの場面は、やっぱり三振を取りたかったでしょ?」

 佐々木朗 「取るぞという気持ちで投げました」

 槙原氏 「ギアが上がったと思う。スピードも質も上がった。『俺の球を打てるもんなら打ってみろ』という気持ちになったか?」

 佐々木朗 「打たれるかなと思ったんですけれど、ファウルだったり、空振りを取れたんで、少し自信じゃないですけれど、落ち着けましたね」

 槙原氏 「最後は首を振って、真っすぐがいいところに決まった。本拠地の歓声はどうだった?」

 佐々木朗 「今まで結果が出ていない環境だったので凄く気持ちよかったです」

 槙原氏 「最速は153キロだったけれど、どれくらいの体感だった?」

 佐々木朗 「昨年のシート打撃も含めて力む癖があった。そこを捨ててストライクを取れるように投げていて、結構、投げている感じでは余力があったかなと思います」

 槙原氏 「点数をつけると何点ですか?」

 佐々木朗 「初登板ということも含めて、この時期なので90点以上は」

 槙原氏 「今後、佐々木朗希はどうなっていきたいのか。昨日はコントロールを重視しながら投げていたけれど、球威で160キロをどんどん連発する投手を目指すのか、コントロールも踏まえて完成した投手でいきたいのか。どんな理想像を持っているのか」

 佐々木朗 「やっぱり、僕は投手は球威、球速だと思うので、160キロをコントロールできる投手になって変化球も含めて、先発でゆくゆくは160キロのコントロール投手になりたい」

 槙原氏 「全部網羅した投手になりたいんだね。若いうちはスピードを求めていいと思う。満員のスタンドで160キロが出たら、凄いことになる」

 佐々木朗 「そういう投手になれるように頑張ります」

 ◆まずは1軍先発で勝利

 槙原氏 「2年目で自分の中でルールを変えたと聞いたが?」

 佐々木朗 「生活は凄く変えて、ゲームがめっちゃ好きなんですけれどやめて…」

 槙原氏 「ちなみになんていうゲーム?」

 佐々木朗 「コール オブ デューティです」

 槙原氏 「あの撃ち合いするやつ?みんなで?」

 佐々木朗 「そうです。それをやめて、早く寝るようにして、生活リズムを規則正しく、おじいちゃんみたいに早く起きて、早く寝て、そういう生活にしている。回復も早くなり、練習も精神的に余裕を持って臨めるので、凄い良かった」

 槙原氏 「吉井投手コーチとは投球についてどんなことを話したの?」

 佐々木朗 「あまり話せていないけれど、『良かったぞ』と言われたので、また、次、もっといい投球ができるように頑張りたいです」

 槙原氏 「仲悪いわけじゃないよね(笑い)」

 佐々木朗 「あはははっ…。全然、そんなことないです」

 槙原氏 「吉井コーチは『スピードガンをゴミ箱に捨てたい』と。あまり気にさせたくないということなのかな?」

 佐々木朗 「この時期というのもあるし、(力を)抑えた上で数字が出たらそれはいいと思う。まずは抑えることが最優先かなと思います」

 槙原氏 「ZOZOマリンはスピードガンの表示はどこ?自分の正面の上に見えるの?」

 佐々木朗 「そうなんですよ。嫌ですよ。後ろは見ないんですけれど、前にあると見ちゃうんですよ」

 槙原氏 「こいつ、気にしているんだなと思われるのも嫌だし…。でも、気になりますよ」

 佐々木朗 「まあ、そうですね」

 槙原氏 「そこを突き詰めて、日本最高スピードを更新し、そして勝てる投手。こんな目標ということですよね」

 佐々木朗 「はい、そうですね」

 槙原氏 「今季の目標は?」

 佐々木朗 「今年はまず1軍で先発で投げて初勝利を挙げて、そして後半戦ぐらいからローテーションに入れるように頑張りたいと思います」

 《佐々木朗の実戦デビュー》12日の中日とのオープン戦の6回に2番手で登板し、3者凡退に抑えた。先頭の2番・京田を149キロで一ゴロ、3番・阿部を150キロで遊ゴロに打ち取り、最後はビシエドを152キロで見逃し三振に仕留め「マウンドから見た景色は凄く興奮した。楽しんで投げられた」と振り返った。全12球中11球は直球で、最速は153キロ。自己最速は163キロを誇るだけに、井口監督は「だいぶ余裕を残していた」と評した。

 《槙原氏の剛速球伝説》現在の高校生最速記録は佐々木朗の163キロだが、槙原氏も1981年のセンバツで大府(愛知)のエースとして147キロをマーク。これが当時の甲子園最速記録だった。巨人に81年ドラフト1位で入団。佐々木朗と同じように高卒1年目は体づくりに専念し、2年目から頭角を現す。デビュー戦となった83年4月16日の阪神戦で初完封するなど12勝を挙げて新人王を獲得した。84年には当時の日本最速155キロを計測している。

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