西武・山川、逆転満弾!2年ぶり本塁打王におれはなるっ!阪神ドラ1佐藤輝の前で豪快一発

[ 2021年3月14日 05:30 ]

オープン戦   西武6-2阪神 ( 2021年3月13日    甲子園 )

6回1死満塁、山川は左越えに満塁弾を放つ(撮影・大森 寛明)
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 怪力ルーキーよ、これがキングのパワーだ。西武の山川穂高内野手(29)が13日の阪神戦で6回にオープン戦2号となる逆転満塁弾を放った。3戦連発を逃した阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22=近大)の前で甲子園の左中間スタンドへ豪快な一発。昨季は打撃不振に陥り、3年連続の本塁打王を逃した主砲が復活のノロシを上げた。

 2回だった。山川は四球を選んだ虎のルーキー佐藤輝に一塁ベース上で問いかけた。

 山川「おまえは何の悪魔の実を食べたんだ?」

 佐藤輝「いや、何も食べていないです…」

 甲子園にいる誰もが想像しない会話が交わされ、2人の間に満面の笑みが広がった。「彼は悪魔の実の能力者だと思いますね。じゃないと、あんなバッティングはできないと思います」。悪魔の実とは大人気漫画「ONE PIECE」に登場する架空の果実。一口かじると海に嫌われ、カナヅチになるのと引き換えに特殊な能力を持つことができる。「立ち姿というか、オーラそのものが凄い。打ちまくっているので、僕が教わりたいぐらい」と山川。新人ながらオープン戦で3本塁打を放っている佐藤輝が食べたのは、さしずめ規格外のパワーが宿る「パワパワの実」と言ったところだろうか。

 人知を超えた表現で若き大砲を称えた山川だが、逆転された直後の6回1死満塁で貫禄の一発を放った。青柳の内角シュートを「詰まりました」と振り返りながらも左中間へ。この日、22歳の誕生日を迎えた佐藤輝に「これがキングだ!」と言わんばかりのオープン戦2号となる逆転満塁弾。ベンチ前では復活を宣言した「どすこいポーズ」で甲子園の虎党もとりこにした。

 昨年は8月に右足首を痛めた影響もあり、規定打席到達者でワーストの打率・205。24本塁打にとどまり、2年連続で獲得していたキングの座も失った。今春キャンプは高知・春野のB班(2軍)でしっかりと振り込んでから合流した。8回には中前打も放ち、打率も・310に上昇。「去年リハビリを頑張ってここまでこられた」と手応えを口にした。

 いざ、2年ぶり3度目の本塁打王へ。悪魔の実の能力者でなくても、山川が本塁打量産の能力者であることは間違いない。(花里 雄太)

 ≪2年ぶりOP戦満弾≫山川(西)が逆転満塁本塁打。自身オープン戦の満塁弾は19年3月5日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で6―2の6回、中田から放って以来2本目。現役選手でオープン戦2本の満塁弾は福留(中)、松田(ソ)、レアード(ロ)と並び最多になる。レギュラーシーズンでは通算3本の満塁本塁打を記録しているが肩書付きは先制、同点が1本ずつ。逆転満塁弾はオープン戦、レギュラーシーズンを通じ初めてだ。

 【ONE PIECE】尾田栄一郎氏が97年から「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載している人気漫画。主人公のモンキー・D・ルフィが仲間たちとともに海賊王を目指す冒険物語。食べると泳げなくなる代わりに特殊能力が身につくのが「悪魔の実」。「ゴムゴムの実」を食べたルフィは腕や足が伸縮自在となって「ゴムゴムの銃」や「ゴムゴムのムチ」などの技で相手を攻撃する。名セリフは「海賊王に!!!おれはなるっ!!!」。現在、単行本は98巻まで刊行され、累計発行部数は世界で4億8000万部以上。

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