阪神・近本 今年こそ2桁弾いくぞ!苦手左腕から一発 チーム本塁打も12球団最多の変貌ぶり

[ 2021年3月14日 05:30 ]

オープン戦   阪神2ー6西武 ( 2021年3月13日    甲子園 )

<オープン戦 神・西> 5回1死、近本は右越えソロを放つ(投手・浜屋)(撮影・大森 寛明)
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 阪神の近本光司外野手(26)が13日、西武戦で今季初アーチを放った。2年連続で9本止まりの1番打者は、昨年1本だった左腕を攻略して初の2桁弾へ視界良好。オープン戦のチーム本塁打も12球団最多の11本と し、近年まれに見る強力打線が、今年の武器だ。

 いつもいつも、ルーキーに主役を奪われてばかりはいられない。この日、甲子園のスタンドに弾丸ライナーを突き刺したのは、2年前のドラフト1位・近本だ。0―1の5回1死で、左腕・浜屋の内角直球をライトポール際へ。紅白戦から数えて16試合41打席目での21年1号だった。

 「スライダーを待っていたのですがタイミングが合ったというか体が勝手に反応した。映像で確認したらバットの出し方とか距離、角度がよかった」

 この日は2年連続で9本塁打に終わっていることに「あまり意識していません」と話した。しかし、沖縄キャンプ中の本紙評論家・亀山つとむ氏との対談で「20本……、いやそれはちょっと言いすぎかな。15本を目指したい」と、初の2桁だけではもの足らず、可能ならば20本を見据えていることを明かした。走れる、守れる、そして長打力を備えた1番打者になることを誓っていた。

 そのために必要となってくるのが、左投手からの本数増だろう。昨年は9月22日のDeNA戦での坂本だけ。「それはたまたまですよ」。しかし2年前も3本。阪神で初の『盗塁王&10本塁打』の同時達成のためにクリアしなければならないデータで、この日の左腕攻略は当然、期待がふくらむ。

 「実戦であまり左ピッチャーと対戦することがなかったので、どういう軌道で打てるのかとか、どういう見方でいたらいいのかの確認ができた」

 この回2死からのマルテの3号でチームのオープン戦本塁打は11となり12球団単独トップ。佐藤輝3、サンズ2、大山1、陽川1……。1番から下位まで強打者が並ぶ破壊力ある超強力打線に生まれ変わった? 昨年は打撃コーチだった井上ヘッドがニンマリする。

 「メンバーはボーアと佐藤輝が入れ替わったくらいなんだけどね。昨年から“僕らがそんな大きいのを狙っては……”という考えを無くせと言っている。近本や陽川には“10本打たんかったら、承知せんぞ”って言うていた。一発がある打線をつくっていきたい」

 打線強化という近年のチームの課題は、佐藤輝だけではなく、1番・近本のバットにもかかっている。 (畑野 理之)

 ○…盗塁王の2桁本塁打は近年のセ・リーグでは10年梵(広)、13年丸(広)、14年梶谷(D)、15、16、18年の山田哲(ヤ)が記録しているが、阪神の過去5人(11度)の盗塁王に2桁本塁打はなし。19、20年近本の9本が最も近かった。なおタイトルに関係なく、シーズン30盗塁以上の阪神選手では57年田宮謙次郎(<盗>37、<本>12)、三宅秀史の58年(<盗>35、<本>21)、59年(<盗>30、<本>18)の3度、2桁本塁打がある。

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