日本ハム・伊藤「簡単には打てないと自信」武器の縦スラで連続K

[ 2021年3月8日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム1―4巨人 ( 2021年3月7日    札幌D )

<日・巨>力投する伊藤(撮影・森沢裕)
Photo By スポニチ

 日本ハムのドラフト1位・伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)が7日、巨人とのオープン戦でプロ入り後初めて札幌ドームで登板した。先発して4回4安打3失点だったが、最終4イニング目はそれまで温存していた縦のスライダーを駆使して完璧に抑えた。自在に抜ける、自慢の「宝刀」。球速もプロ入り後最速の151キロまで上がり、開幕ローテーション入りへ突き進む。

 3回までに3失点した伊藤が4回、「引き出し」にしまってあった武器を取り出した。先頭・松原にカウント1―2から縦のスライダーを使うと、バットがクルリ。続く秋広も3球勝負にいった縦のスライダーで空振り三振させた。梶谷は追い込む前のツーシームで遊ゴロ。2回に出塁された3人を10球で片付けて借りを返した。

 「あれはそんな簡単には打てないと自信を持って投げている球。いつでも投げられる」

 春季キャンプ中には初めて受けた捕手の鶴岡が「山井さんみたいな縦スラ」と、チームが07年日本シリーズで対戦した中日の“完全試合未遂右腕”の名前を出し、その変化量に驚いていた。「どうしてもあれに頼ってしまうので」と伊藤。3回までは温存し、コーナーを突く直球とカットボールを主体にした。その配球でプロ入り後初の大台となる最速151キロを計測し、坂本、岡本和の3、4番は2打席凡退させた。

 2、3回の失点は2死走者なしからで「3人で終わろうと投げ急いだ」と反省する。2回は初安打されたウィーラーに二盗を許した後、松原への四球と秋広、梶谷の連打で2失点。3回は一塁走者・丸と打者・大城のヒットエンドランで二塁打されて失点した。

 機動力を使われたこと自体は「元々走者は気にしない、“(盗塁は)行くなら行っていいよ”というタイプ」と話す。それでも抑えることができたアマチュア時代と違い、「プロは打ち取ったように見えて凄く重い進塁打になっていたり、簡単には終わらない」と感じる。「クイックや間の使い方…細かいところを詰めていかないと」と課題を掲げた。

 札幌ドームのマウンドは駒大苫小牧1年冬の、センバツ出場に向けた練習以来。「(プロ入りして)この場に立つ夢を追ってきた」と感慨があった。高校時代の最速142キロを出した場所で、観戦に訪れた祖母、母、弟にも見せたドラフト1位の勇姿。日曜日の実戦登板が2度続き、このまま順調なら28日の楽天との開幕3戦目(楽天生命パーク)が見えてくる。(和田 裕司)

続きを表示

この記事のフォト

2021年3月8日のニュース