西武・佐藤 みそぎのマルチ!昨年スピード違反で謹慎から再出発「全身全霊で」

[ 2021年3月8日 05:30 ]

オープン戦   西武4ー2ロッテ ( 2021年3月7日    ZOZOマリン )

<ロ・西>9回1死、右前打を放つ西武・佐藤 (撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 西武・佐藤の口からは「全身全霊でやっている」という言葉が自然と出た。ユニホームを着て夢中でボールを追える喜び。「打てなかったらめちゃくちゃ悔しいし、打てたらうれしい」。喜怒哀楽を味わえるのも、野球ができるからこそだ。

 2回2死二塁で「何とか食らいついた」と先制の中前打。2月26日に1軍に合流し、実戦13打席目での初安打だった。9回1死では右前打。小野の149キロ直球をはじき返した。決して忘れることのできない数字。昨年4月、スピード違反で摘発された際に出してしまった自動車の速度と偶然にも同じだった。

 「今まで普通にしていたことが当たり前じゃない、と身に染みて実感した」。道交法違反で昨年8月、球団から無期限の対外試合出場禁止、ユニホーム着用禁止の処分を科された。謹慎期間中はキャッチボールの相手もおらず、一人で壁当てを繰り返す日々。今年1月に謹慎が明けると、川越との自主トレでは「とにかく量を振った」と連日4~5時間も打ち込んだ。

 春季キャンプはB班(2軍)。松井2軍監督からは期待とともに副主将に指名された。「常に見られている。今まで以上に“1球”を大事にした」。その松井監督から「全部出し切ってこい!」と送り出された1軍の舞台。中村らと争う三塁の定位置奪取へ「みそぎの2安打」で首脳陣に猛アピールした。

 「今まで以上に、ただ純粋に野球にしがみつくことだけを考えていきたい」。昨年12月。契約更改を終えた佐藤はそう言った。野球にしがみつく。食らいつく。それはユニホームを着ているからこそ、できることだ。(鈴木 勝巳)

 ◆佐藤 龍世(さとう・りゅうせい)1997年(平9)1月15日生まれ、北海道出身の24歳。北海では甲子園出場なし。富士大を経て18年ドラフト7位で西武入団。19年は開幕1軍入りを果たし、3月29日のソフトバンク戦でプロ初出場。通算成績は52試合で打率・220、2本塁打、7打点。1メートル74、88キロ。右投げ右打ち。

 ▽佐藤の昨年の処分 昨年4月12日、佐藤は同僚の相内とともに千葉県内のゴルフ場に向かった際、首都高速道路中央環状線山手トンネル内を法定最高速度時速60キロのところ、89キロ超過の時速149キロで走行。球団への報告は8月17日で、同20日に無期限の対外試合出場禁止とユニホーム着用禁止の処分が科された。10月8日には道交法違反の罪で東京地裁で懲役3月、執行猶予2年(求刑懲役3月)の判決を言い渡された。佐藤の車に同乗していた相内は昨年限りで戦力外となり、格闘家に転身。2月28日にデビューした。

続きを表示

2021年3月8日のニュース