野村謙二郎氏 打席の中で工夫が見えたクロン 直球にタイミングを合わせ、甘い変化球を打つ原点を

[ 2021年3月8日 05:30 ]

オープン戦   広島2ー0ヤクルト ( 2021年3月7日    マツダスタジアム )

野村謙二郎氏
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 【野村謙二郎 視点】この日の広島・クロンには打席の中で工夫が見えた。少し動いてタイミングの取り方を変え、ローボールヒッターらしく外角低めの難しい直球を捉えた一発。本人もベンチも、ホッとしたことだろう。

 キャンプから注視していたが、実戦に入ると空振りが増え、配球を考え過ぎるのか見送り三振もあった。昨年の米国は試合数が少なく、野球勘のズレは当然あるだろう。意気込んで来日したのに結果が出ない現状だけに、メンタル面が要因の一つかもしれない。

 周知の通り、日本の投手は3ボールでも変化球を投げ、球種だって少なくない。だからだろうか、カウントに応じて一球一球対応を変えているように見える。追い込まれた後、直球に差し込まれるシーンが目立つのは、それが原因ではないか。

 僕が見てきた米国の野球は、直球にタイミングを合わせながら甘い変化球を打っていった。その原点を思い起こしてもらいたい。真面目で一生懸命な性格はエルドレッドとダブる。この1本が次につながれば…と願う。(スポニチ本紙評論家)

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2021年3月8日のニュース