「ハッピーアロー」で競争にも勝つ！阪神・マルテが今春1号　おなじみパフォも全開

オープン戦   阪神3ー4ソフトバンク （ 2021年3月7日    ペイペイドーム ）

＜ソ・神＞1回2死、左中間ソロを放ってポーズを決める阪神・マルテに、ベンチのナインも大うけ（撮影・大森　寛明）
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　どうしても本塁打じゃなきゃダメだった。悠々とベースを一周した阪神・マルテから、そんな雰囲気が漂っていた。安打ではもの足りない。四球ではもちろん不満だ。初回2死走者なし。和田のカーブ2球を見送った2ボールから、読みどおりにきた真ん中139キロ直球を狙い、フルスイングで左中間スタンドへ運んだ。今春実戦7打席目の初アーチだった。

　「いい感じで打てたかなと思います。2ボールからだったので、いいボールだけを待っていた」

　昨年は左ふくらはぎ痛で29試合の出場にとどまり、今季はサンズと一塁を争う立場からのスタート。そのサンズが5、6日に2試合連続本塁打を放っており、意地でもライバルに後れを取るわけにはいかなかった。

　「サンズの存在？チームなので刺激というよりは、みんなが打てばイコール勝つということなので、それを意識してやっていきたい。外国人選手が多いことも分かっているが、自分の仕事をしっかりすることだけだよ」

　ベンチ前では左腕を高く掲げ、右腕で弓矢を射るようなおなじみのポーズを披露。陸上男子100メートル世界記録保持者のウサイン・ボルト氏の、稲妻を意味する『ライトニング・ボルト』に似たパフォーマンスだ。19年に「ドミニカ共和国の有名なコメディアンがやっているんだ」とルーツを明かしたことがあるが、サンズの「ハッピーハンズ」に対抗して“ハッピーアロー”でチームを鼓舞していくつもりだ。

　井上ヘッドコーチは、激しい競争意識にニンマリだ。「サンズに触発されて、マルテも今日の1本はホッとしているんじゃない。ちょっと先に行かれている危機感があっただろうから」。陽川や高山、糸井らがだらしないのなら一塁と右翼の2ポジションとも、両助っ人が奪い取ってしまう勢いだ。（畑野　理之）