8年目の開花目前だ OP戦初先発の阪神・陽川が「本家」ゴリラ弾 初の開幕スタメンへ猛チャージ

[ 2021年3月8日 05:30 ]

オープン戦   阪神3ー4ソフトバンク ( 2021年3月7日    ペイペイドーム )

<ソ・神>6回1死一塁、左越え2ランを放ち、ゴリラポーズを 決める阪神・陽川(撮影・大森 寛明)
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 阪神・陽川尚将内野手(29)が7日のソフトバンク戦でオープン戦初先発し、本家「ゴリラ弾」で存在感を訴えた。現状の外野定位置争いは「中堅・近本」が確定しているだけで、残り2枠をドラフト1位の佐藤輝やサンズ、高山らと争う。入団8年目で自身初の開幕スタメンへ最後まで諦めることなく結果を残していく。

 開幕まで20日を切り、アピール機会は確実に少なくなっていく。オープン戦3試合目で初めて巡ってきた先発。陽川は3回の第1打席で、和田にバットを折られながら左前打したのに続き、6回にはさらなる気持ちの入ったスイングで左翼スタンドに運んだ。

 「手応えは良かった。追い込まれていたので、何とか次につなぐというか、コンパクトに振ろうと思っていた。それが結果につながったのでよかった」

 1―4の6回1死一塁、1ボール2ストライクから右腕・二保の内角直球に左肘をうまくたたんでバットの芯で捉えた。今春実戦では2月20日の練習試合・中日戦以来、出場7試合18打席ぶりの一発でオープン戦1号。ベンチ前では、おなじみのゴリラポーズも披露。最近は本塁打を打った佐藤輝がマネており「本家」の威厳を示した。

 今春はキャンプ期間中の実戦も含め打率・364、2本塁打、5打点と好調を維持。「結果を残していかないといけない立場。一試合一試合が大事なので。そういう気持ちを持ってやっている」。矢野監督からも「本当に段階がワンランク、ツーランク上がったかなというところを見せてくれている。スタメンで使いたくなるようなポテンシャル能力はある。頼もしく見ています」と評価された。

 外野の定位置争いは「中堅・近本」以外はまだ決まっていないが、現状ではライバルにリードを許していることは確か。それでも、自身初の開幕スタメンの可能性もゼロではない。9日には今年初の甲子園での一戦となる広島戦を予定。「チャンスがあれば結果を求めてやっていきたい」。アピールに向け、発する言葉にも自然と力が入った。

 プロ8年目を迎え、年齢も今年7月で30歳と中堅の位置に差しかかる。開幕まで、残り10試合。陽川の「10番勝負」は勝ち続けるしかない。(長谷川 凡記)

 ○…陽川(神)は13年ドラフト3位で阪神入団。今季初の開幕スタメンなら入団8年目の抜てき。2リーグ制以降(1950年~)に入団した阪神生え抜き外野手では10年桜井広大の9年目に次いで、72年池田祥浩(純一)、13年大和に並ぶ遅咲きになる。近年、他のポジションでは捕手の岡崎太一が16年に入団12年目で初の開幕マスクをかぶっている。

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