“横浜爆走族”DeNA・三浦新監督 初采配で小技多用「得るものいっぱいあった」

[ 2021年2月14日 05:30 ]

練習試合   DeNA0-3中日 ( 2021年2月13日    北谷 )

<練習試合 中・D>指揮を執るDeNA・三浦監督
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 横浜爆走族だ――。DeNA・三浦大輔監督(47)が、練習試合・中日戦で対外試合の初采配。初勝利は逃したが、4度の盗塁企図やセーフティーバント、ランエンドヒットなど機動力を積極的に押し出す野球を展開した。昨年のリーグ4位から巻き返しを図る新監督による意識改革で、チームは「番長色」に染まり始めた。

 審判の両手が広がった。二塁へ駆け込んだ伊藤裕が、白い歯をこぼす。8回1死一塁、2ボール2ストライクからこの試合、4度目の挑戦で盗塁成功。「積極的にトライしてくれた。得られるものがいっぱいあった」と、三浦監督も納得の表情を浮かべた。

 監督就任後、初めての対外試合。試合前に選手を集め「積極的にトライしてほしい」と伝えた。初回からベンチも含めて、動きまくった。1死から田中俊が左前打で出塁すると、得点には結び付かなかったが中井、細川が連続でランエンドヒットを仕掛けた。3回は宮本、4回は田中俊と4番に起用された大砲候補の細川までがスタート。3連続失敗となったが、ひるまず走り続けた。「(盗塁は)サインもあるしグリーンライトもある。想像にお任せします」と多くを明かさなかった指揮官。だが、3回には関根がセーフティーバントを試みるなど、足を絡めた小技を多用するチームへの転換を随所に感じさせた。

 優勝を期待されながら4位だった昨季の31盗塁は12球団最少。ラミレス政権下の5年間は犠打もリーグ最少だった。走塁と小技の意識は、昨季両リーグトップのチーム打率・266を生かす番長流改革。過去2年、1軍で盗塁なしの伊藤裕は「監督や青山(ヘッドコーチ)さん、小池(外野守備走塁コーチ)さんが、アウトになっても構わないと言ってくれた」とチームに芽生えた変化を説明した。

 湘南ならぬ「横浜爆走族」への変貌を目指す三浦新監督が初戦で見せた積極性。漫画「湘南爆走族」は紫の「スーパーリーゼント」が特徴の2代目リーダーの江口洋助が主人公だが、ハマの第31代監督も爆走する。

 ベンチ最前列で腕組みし、身を乗り出すように戦況を見つめた新指揮官。「トライしないと分からないことがたくさんある。アウトになったが課題が見つかった」。チームを変えるのはこれからが本番だ。(君島 圭介)

 《最近3年間20盗塁以上なし》DeNAの昨年の盗塁数は31でリーグワースト。個人では梶谷(巨人)14、神里7、乙坂5、大和3、中井、細川各1と盗塁を記録したのは6人のみ。球団では過去にスーパーカートリオと呼ばれた高木豊、屋鋪要、加藤博一や盗塁王4度の石井琢朗ら俊足選手が在籍していたが、最近3年間は20盗塁以上の選手が出ていない。

 ▽湘南爆走族 「少年KING」で82~87年に連載された暴走族漫画で、作者は吉田聡氏。神奈川・湘南海岸を舞台とし、少数精鋭の走り屋「湘南爆走族(略称・湘爆)」のメンバーを中心に友情や恋愛を描いた。湘爆の2代目リーダー・江口洋助は「スーパーリーゼント」と呼ばれる紫色のリーゼントがトレードマーク。他のメンバーも金髪やモヒカン、アフロなど個性的な髪形だった。87年には実写映画化され、江口洋介が初主演。他に織田裕二、清水美砂が同作でデビューし、杉本彩や横浜銀蝿・翔らも出演した。

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