オリックス・藤田通訳 37年ぶり大阪で球春 コンビニさえ行かず感染対策

[ 2021年2月14日 05:45 ]

昨年はジョーンズ(右)らとともに宮崎キャンプを過ごした藤田通訳だったが…
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 【新様式キャンプリポート最前線】オリックスのキャンプ地・宮崎に、見慣れた顔はなかった。藤田義隆通訳(63)は37年ぶりに大阪で“球春”を迎えた。「2月1日にキャンプ地にいないのは何というか、不思議な感じですよね」。電話越しの声は戸惑いの色がにじんでいた。

 83年に近鉄入り。現役球団通訳では全球団最年長だ。「84年にダン・マネー選手の家族をアテンドするために残った時以来ですね」。1日は、担当するジョーンズがコロナ下で2週間の自宅待機を終えた直後だった。大阪で残留調整する助っ人に同行している。

 人と人との間に入って言葉をつなぐ。抱える気苦労は計り知れない。接触機会は多く、互いにマスクを着用し距離を保っても感染リスクが脳裏をよぎる。「去年からコンビニにも行ってないです。休日に家族と外食することも控えました。家内は分かってくれました。人にうつす可能性がある。“徹底しないと”と思ったんです」。誠実な人柄で、付き添った100人超の助っ人から「フジ」の愛称で慕われる。言葉には重みがあった。

 キャンプ地には久々の顔が加わった。4年ぶりに平野佳が復帰し、メディアをにぎわせた。無観客の清武町が盛り上がることはないが、育んだ絆はつながっている。5年目右腕の榊原が「今年は行けないんですよね…」と寂しげに言ったのは同町の「みなみのかぜ支援学校」のこと。18年から率先して通い、交流を深めてきた。

 「逆に僕がメッセージボードをもらいました。本当にありがたいし、頑張らないといけない」。声援はしっかりと届いている。(オリックス担当・湯澤 涼)

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2021年2月14日のニュース