これがドラ1の修正力 広島・栗林が初シートで9人から3K フォークの角度で適応

[ 2021年2月14日 05:30 ]

シート打撃に登板し、大盛を二ゴロに打ち取った広島・栗林 (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)が高い修正能力を見せつけた。13日に今春沖縄キャンプで初めてシート打撃に登板。緩急を操り、打者9人に対して1安打、3三振を奪った。中でも光ったのがフォークで、バットに当てられた1巡目から、高さを修正した2巡目は空振りを連発。佐々岡監督をうならせた。

 即戦力右腕の調整ペースが上がってきた。沖縄キャンプ第3クール3日目に組み込まれたシート打撃初登板。9日のフリー打撃では全30球を直球で押したが、この日は3種類の変化球を解禁。打者9人に30球を投げ、1安打に抑えてみせた。

 「すごく緊張しました。全球種を投げ、ある程度はストライク先行で勝負できたので、良かったと思います」

 最速146キロを計測した直球を軸に、緩急を織りまぜた。正随と林に1球ずつ投げたカーブはいずれも118キロで、2人はタイミングが合わずにストライクを見逃し。「のけぞり見逃してくれたので使えるのかな」と手応えを感じ取る。

 それ以上に光ったのが宝刀フォークの威力だ。1巡目の正随、中村奨に追い込んで投じた“決め球”は空振りを奪えず内野ゴロだったものの、2巡目は一転。正随、林を連続で空振り三振に仕留め、大盛のバットも1ボールから空を切らせた。

 「(ストライク)ゾーンにいってバットに当てられたので、2巡目は低めを意識した。しっかり修正できたのは良かったです」

 制球のズレをすぐさまマウンドで修正する高い能力。見守った佐々岡監督も「1巡目よりも2巡目が本来のフォークじゃないかな。腕が振れていた。初のシート、対打者に投げた中で上々でしょう」と目を細めた。

 注目の起用法については「まぁ、まだね。次から対外試合に入るので、そこで見極めたい」と指揮官。先発と救援「どっちも準備しています」という栗林は結果に浮かれず冷静に足もとを見つめる。

 「役割が決まれば、今日の投球ではダメ。マウンドで修正する前に、ブルペンで修正してマウンドに上がれるようになりたいです」

 この意識。1イニング勝負の救援、しかも勝ちパターンを担う場合はなおさらだろう。自主トレから焦りを抑えて調整し「体は80%ぐらいまで来ています」という24歳。エンジン全開の球春が楽しみだ。(江尾 卓也)

 ▼阪神御子柴進スコアラー イメージしていた感じでしたね。まだあんなもんではないと思いますけど、真っすぐとフォークは腕が振れていた。

続きを表示

この記事のフォト

2021年2月14日のニュース