【阪神・矢野監督 新春インタビュー(6)】藤浪の中継ぎ、北條の二塁「固定観念あればできない」

[ 2021年1月8日 10:00 ]

阪神・藤浪
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 ――複数ポジションで起用することで、選手の新たな可能性を見いだしている。

 矢野監督 晋太郎を中継ぎで使ったり、北條をセカンドで使ったりというのもそう。初めは北條は逆の動きになるから難しいというのがあったけど、そうなると北條自身の可能性を止めてしまっているような気にもなって。それならできないかもしれないけど、一度、やらせてみようと。意外に生き生きしてるのね。そうなるとセカンドの健斗も安心できひんし、北條の可能性も広がってるわけやん。晋太郎の後ろも、コントロール良いわけではない、フィールディングも良いわけではない。そういう場面で条件的にふさわしくないものが先に出ちゃうんだけど、でもプラスで言えば球が速いし、晋太郎自身の新たな発見が見つかるかもしれないと思っていて。で、やってみたら、アイツの中ですごくターニングポイントになる1年になったんじゃないかと、現状ではそう思ってる。それも固定観念があればできていない。確かに、せざるを得ない状況(※1)にはなったけど、そこで晋太郎が経験したことは、オレの中で新たなオプションになった。先発で今年は使うけど、万が一の時には「後ろ」も使えるというカードを持ちながら采配するのは、全然違う。

 ――ポジションを変えることでエラーが増えているという指摘もあった。
 矢野監督 選手の可能性を広げることの方が大きい。ベンチの人数が決まっているなか、うちならファーストを変えて、セカンドを変えて、レフト変えて、ライト変えて、代走を出して。その代走のポジションがはまらなければ、また変えないといけない。選手が減りすぎるし、選手の可能性も狭まる。そうなるなら、悠輔のファースト、健斗のサード、北條のサード、点を取るための陽川のライトスタメンがあれば、陽川はファーストの守備固めもある。何もこちらの都合でやっているわけではなくて。変えた選手がエラーしているのって、実は少ないから(※2)。 =この項終わり=

 ※1 9月25日に新型コロナ感染、濃厚接触者を合わせて10選手を登録抹消。
 ※2 野手失策68のうち先発が60。

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