阪神・矢野監督「新・勝利の方程式」8回スアレス→守護神・球児 エド&岩崎も待機で“リーグ最強”

[ 2020年6月15日 05:30 ]

練習試合   阪神3-3オリックス ( 2020年6月14日    京セラD )

<練習試合 オ・神>9回無死、声を上げながらベースカバーに走る藤川(撮影・北條 貴史)
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 阪神は14日のオリックス戦を3―3で引き分け、3試合連続ドローで開幕前最後の実戦を終えた。矢野燿大監督(51)は8回スアレス、9回藤川の「新・勝利の方程式」をテスト。延長10回打ち切りの今季は引き分け増加が予想され、最大の武器のブルペン陣をフル活用する方針だ。2日からの練習試合は11試合5勝3敗3分けで、勝率・625は“セ・リーグ1位”。6・19開幕へ仕上がりは上々だ。

 開幕前最後の実戦で20年版の猛虎の必勝パターンが見えた。3―3の8回を託したのは剛腕のスアレス。最速157キロの直球で無安打無失点に抑え、9回の藤川につないだ。

 8、9回をスアレス―藤川の継投で終わらせるのは9日の広島戦に続いて2度目。1―8完敗での調整登板だった前回と違い、今回は本番をにらんだテストと言え、矢野監督はセットアッパー・スアレス、守護神・藤川の構想を明かした。

 「(岩崎)優も間に合いそうな感じの球を放っていましたし、多少は前後あると思いますけど。今のメンバーでいえば、あれだけのボール投げているピッチャーですから。任せたいなという気持ちはあります」

 7回には、もう1人の助っ人・エドワーズと、昨季抜群の安定感を誇った岩崎がスタンバイ。リーグ最強レベルの「勝利の方程式」が開幕を前に仕上がった。

 新型コロナウイルス対策の一環として既に延長10回打ち切りが決定。しかもシーズンは120試合へ減り、従来より1勝の重みは大きくなる。勝率で優勝が決まることを考慮すれば、すべて引き分けたこの3日間のように負けない戦いが重要だ。9回を1四球のみの無失点で抑えた藤川がブルペン陣を代表して“一戦必勝”の覚悟を強調した。

 「勝てる試合はとにかく勝ちにいく。自分たちは。例年以上になると思うんですよね。勝ち星を獲れる時は獲りにいくのを、ちょっと頑張りたいなあと。そんな感じです」。日米通算250セーブの大記録まで残り7という個人の話題を脇に置き、「延長になったら10回までなので、それに固執することなく。勝たないといけない試合が続くと思うので、その時(9回)に確実に出られるようにしっかり準備して前向きに頑張っていきたい」と力を込めた。

 2日から再開した練習試合はセ・リーグ6球団で唯一、貯金をつくって終えた。待ちに待った開幕は目前。矢野監督は誓った。「皆さんも、いろいろ苦しい思いをされている中で僕たちは野球をやれる。そういう思いをしっかりぶつけて、皆さんを少しでも元気づけられる姿を見せていきます」。異例のシーズンでも頂点だけを目指し、挑む決意だ。(山添 晴治)

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