磐城 243日ぶりの対外試合で快勝!4月就任の渡辺監督 親友率いる古巣相手に待望の白星

[ 2020年6月15日 05:30 ]

練習試合   磐城10―1いわき光洋 ( 2020年6月14日    磐城高 )

感染症対策で“エア・ハイタッチ”する磐城ナイン
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 今年のセンバツに出場予定だった32校による「2020年甲子園高校野球交流試合(仮称)」(8月10日から)に出場する磐城(福島)が14日、福島県いわき市の同校グラウンドでいわき光洋と練習試合を行い、10―1で快勝した。対外試合は昨年10月15日の東北大会・準々決勝(対仙台城南)以来243日ぶりだったが、先発したエース沖政宗投手(3年)が3回無安打4奪三振と好投し、打線も14安打と爆発した。

 運命的な巡り合わせだ。待ちに待った対外試合。4月に就任した渡辺純新監督(38)にとって「初陣」だ。福島の県立高校は前日に対外試合解禁も雨天中止となり、いわき光洋戦が初戦となった。渡辺監督が3月まで指導した高校。自身に代わって着任した紺野勇樹監督(38)とは磐城高野球部時代の同期という間柄だった。

 「やっと“(磐城)OBのおっちゃん”から監督になれる試合の日が来たと思ったら、相手が大親友。不思議な縁を感じる」

 先発したエース沖は3回を無安打無失点。1つの失策で走者を許しただけで毎回の4三振を奪った。昨秋から磨き、センバツで使うはずだった新球スプリットも初めて実戦で試し「良い感じに打者が空振ってくれて気持ち良かった」。打線も14安打10得点と爆発。初回に先制の中前適時打を放った捕手の岩間涼星主将(3年)は「1点をもぎ取りにいく楽しさを久々に味わえて楽しかった」と笑った。

 昨秋は東北大会期間中に台風19号に見舞われながら8強入りし、地元に勇気を届けた。大会後にはいわき市内に泥かきなどのボランティアに出向くなど、ひたむきな姿が評価され、センバツに21世紀枠で選出された。だが新型コロナウイルスで中止となり46年ぶりの春は幻に。木村保監督(49)も磐城を去った。渡辺新監督の下で再始動したが、見えないウイルスに夏の甲子園まで奪われた。

 目標が失われた中で代替大会の開催、さらにセンバツ出場校を救済する甲子園交流大会も決定。対外試合も解禁と明るい知らせが増えてきた。「当たり前のことができるうれしさを感じた。これから改めて挑戦者の気持ちを持って鍛えて、甲子園に乗り込みたい」と沖。その目は輝き、希望に満ちていた。(秋元 萌佳)

 ≪コロナ対策 エアハイタッチ≫新型コロナウイルス感染予防対策も徹底して行われた。審判や監督らはマスクを着用。5回のグラウンド整備時には手洗い、うがいとアルコール消毒を選手全員に呼び掛け、ベンチに戻る仲間を「エアハイタッチ」で出迎えた。岩間主将は「まだ慣れなくて、熱が入ると大声で叫びたくなっちゃいますが、気をつけないと」と苦笑いした。

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