有藤通世氏 20年シーズンは実戦少ないため「打高投低」 新人監督は継投が腕の見せ所

[ 2020年6月15日 08:30 ]

(左から)ヤクルト・高津監督、広島・佐々岡監督、楽天・三木監督
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 プロ野球は14日、巨人、ロッテを除く10チームが練習試合の日程を終えた。大幅に延期された20年シーズンの開幕まであと4日。各球団のここまでの調整具合や今後の課題などを本紙評論家の有藤通世氏(73)が分析した。

 2日からの68試合で計161本塁打。練習試合では「打高投低」が顕著で、各チームとも投手陣の仕上がり具合に苦慮しているようだ。

 練習試合はそれぞれ12試合ずつと、やはり実戦が少ない。対打者の駆け引きの部分で投手はまだまだ手探り状態だ。通常なら春季キャンプを終え、オープン戦で50→70→100球などと球数を増やして開幕に備える。しかし今回、各チームの先発投手は3→5イニングぐらいしか投げられていない。投手は打者を相手に投げてこそ試合で必要な肩、体力がつくられていくものだ。

 実戦の少なさは佐々岡、高津、三木の新監督3人にもいえる。佐々岡、高津の両監督は投手出身だが、現時点でどこまで投手の調整具合を見極められているかが重要だ。開幕当初は先発陣に長いイニングは期待しづらい。となれば勝敗を分けるのは中継ぎ陣の継投。最大の腕の見せどころだが、新人監督にとっては投手、バッテリーコーチらとのコミュニケーションが欠かせない。

 一方、野手は既に試合に順応している選手が多いように感じる。自粛期間中もマシン打撃などを行っていれば、打撃の肝である「目」の反応はそれほど落ちないものだ。そんな中でソフトバンクは柳田の2番、オリックスはT―岡田の1番を試すなどしている。得点力を上げるために模索している形だが、試合数が少なかっただけにまだ固まってはいない。開幕後の状態なども把握しながら「最適な解」を探し出すことになるだろう。

 ○…2日以降の練習試合で、ここまで68試合で161本の本塁打が飛び交った。1試合平均で2・37本。過去10年のレギュラーシーズンで最高は昨年の1・97本で、大幅な「打高投低」の傾向が出ている。今季このペースなら、シーズン合計720試合で1706本に到達する計算。143試合制(合計858試合)だった昨季の1688本を超える。

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2020年6月15日のニュース