ホッとした 奥川の今季目標「3勝」 今は地道に準備を重ねる時

[ 2020年2月7日 10:00 ]

キャンプで初めてキャッチボールを行ったヤクルト奥川
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 プロ野球のキャンプも本格化。ロッテ・佐々木朗(大船渡)は1軍、ヤクルト・奥川(星稜)は2軍で練習に励んでいる。いずれも高卒の注目ルーキー。2軍の奥川は多少、焦りも感じているのかと思ったが、1年目の今季の目標を「3勝」と掲げたのを知り、勝手ながらホッとした。

 もちろん、スポーツ紙に携わる者としては「10勝」「最多勝」とぶち上げてくれるのも紙面映えしてうれしい。ただ、あくまで成長途上。軽度ながら右肘の炎症も抱えている。「超高校級」といえども、やはり高卒ルーキー。現状に即した、適正な目標だろう。

 高卒ルーキーのキャンプ。1軍でも2軍でも、メリットはそれぞれあると思う。

 私は12年前、同じヤクルトで、奥川と同様に「高校BIG3」の異名を取った由規(現楽天)の1年目を取材した。キャンプは先輩たちの背中を見て刺激を受けながら1軍で完走したが、1軍デビューは8月30日で、ルーキーイヤーは2勝。3年目の10年に初の2桁勝利となる12勝、自己最速161キロをマークするなど飛躍につなげた。

 一方、他球団では、奥川が「大谷さんもダルビッシュさんも1年目は1桁だった」と例に挙げた、05年のダルビッシュ(現カブス)を取材した。初キャンプは右膝関節炎を抱えていたことで2軍だったものの、体づくりを中心に取り組めたのは結果的にプラスだったと思う。1年目は6月にデビューし5勝。2年目に12勝してエースへと進化した。

 6日付の本紙インタビューで、高津監督は「大事に育ててあげないと」と、夏休みごろのデビューを想定していると明かした。奥川本人の「夏前までに1軍に上がって3つ勝てれば」という目標と、ほぼ重なる。星稜のエースとして甲子園を沸かせた夏から1年後。晴れ舞台に向け、今は地道に準備を重ねる時だ。(記者コラム・大林 幹雄)

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2020年2月7日のニュース