巨人・原監督 育成ディプラン高評価!最速150キロ、バットへし折った

[ 2020年2月7日 05:30 ]

シート打撃に登板した巨人・ディプランは比嘉のバットを折り、投ゴロに打ち取る(撮影・森沢裕)
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 巨人の原辰徳監督(61)が6日、今キャンプで初めて2、3軍を視察した。今年は4年ぶりに1、2、3軍が同じ敷地内で始動。「巡回監督」と化して全戦力を把握する狙い通り、シート打撃に登板した育成新外国人のナティーノ・ディプラン投手(26)に対し、9日に行われる紅白戦の登板を見た上で、15日の沖縄キャンプからの1軍昇格の可能性を示した。

 今キャンプ、原監督が初めて動いた。1軍施設を離れ、スタッフの車でひむか球場まで移動。2、3軍練習に目を光らせた。
 「集中したプレーだった。そういう(2、3軍全体を見渡す)のが狙いだったからね」

 山口がメジャーに移籍した先発投手陣の新戦力発掘は必須。4年ぶりに3軍が宮崎に加わったファームの初視察で即座に金の卵に目を付けた。

 指揮官が見つめたのは育成新外国人のディプラン。3軍スタートなら昨年は把握できなかった戦力だが、宮崎始動が奏功した。ドミニカ共和国で実施したトライアウトを受験し、生視察した阿部2軍監督の前で合格を勝ち取った右の剛腕。初年度26歳以上の育成選手は3月末までしか支配下登録できないため、ハングリー精神むき出しでベールを脱いだ。

 2日に1軍ブルペンに参加したが、打者と対戦するシート打撃は来日初。「100マイル(約161キロ)は出る」と言う動く直球で、育成の比嘉のバットをへし折る。破片が自身の上空を飛んでもよけることなく、ゴロを処理した。1メートル90の長身から、育成新人の加藤壮のバットも折って左飛。最速は150キロを計測した。打者3人と計5度対戦して無安打で「阿部2軍監督の教えでコーナーを意識しすぎず威力のある直球を生かした」と言った。

 中南米出身ながらエンゼルス・大谷の直球が理想。日本で成功することを夢見て、映像を何度も見て来日した。昨季ブルワーズ傘下2Aでプレーしていた経験も買われている。顔がアジア系に近いと周囲から言われ、米国では「チャイナ」のあだ名で呼ばれていた。

 「規律の正しい寮生活が好き」と言う真面目さも評価される。この日は登板前にもかかわらず、右翼と左翼のポール間を片道20本走り、下半身をいじめた上でマウンドに上がった。阿部2軍監督は「変化球の精度を上げれば、1軍でも戦力になる」と分析。現在支配下登録選手は65人で、育成からの昇格へは「5枠」の空きがある。

 9日の紅白戦に登板予定。原監督は、内容次第では沖縄キャンプでの1軍昇格の可能性を「あるでしょう。(先発投手の)一つパーツが入ってくれれば。十分チャンスがある」と示した。激しい外国人枠争いも戦力を充実させる。 (神田 佑)

 ▼比嘉 球が速くて、細かく動くボール。凄く打ちにくかった。
 ▼加藤壮 あのスピードでボールが動く。いいピッチャー。

 ▽育成の新外国人選手の年齢制限 野球協約では、26歳以上の育成の新外国人選手は支配下登録期限が3月末までと定められている。巨人のディプラン同様、ロッテのアコスタ(26歳)、フローレス(30歳)、サントス(30歳)、中日のシエラ(31歳)もこれに該当する。

 ≪巨人の育成出身外国人投手はメルセデスが13勝≫巨人の育成出身外国人投手では現役のメルセデスが通算35試合で13勝12敗、防御率2.88と先発で活躍。過去には通算8勝のオビスポ、11年に41試合で11Sを挙げたロメロらがいた。他球団では、モイネロ(ソ)が通算143試合で12勝5敗5S、62ホールド、フランスア(広)が通算114試合で11勝10敗13S、37ホールド、宋家豪(ソンチャーホウ)(楽)が通算93試合で8勝5敗、33ホールドと好成績を残している。

 ◆ナティーノ・ディプラン 1993年12月30日生まれ、ドミニカ共和国出身の26歳。昨季は米ブルワーズ傘下2Aでプレー。2A通算で29試合、1勝1敗0セーブ、防御率4.28。背番号は024。推定年俸260万円。1メートル90、81キロ。右投げ右打ち。

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