ロッテドラ1・朗希に“侍エース”期待 稲葉監督「ジャパンを意識してくれればいいな」

[ 2020年2月7日 05:30 ]

室内で力をこめたキャッチボールをする佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)が6日、石垣島キャンプを訪れた侍ジャパン・稲葉篤紀監督(47)と対面し、将来の「侍エース」と期待された。室内練習場では初めてプレートから本塁までの距離となる18・44メートルで強めのキャッチボールを行い、ブルペン入りへ、また一歩前進した。稲葉監督は東京五輪選出の可能性についても否定はせず。最速163キロ右腕の底知れぬ才能に期待した。

 稲葉監督がブルペンを視察していると知り、佐々木朗は室内練習場から急いであいさつに出向いた。「順調ですか?プロに慣れることが先決なので、焦らずに頑張ってください」と声を掛けられ、握手をしてもらうと笑みを浮かべた。

 昨年8月27日、U18W杯に出場する高校日本代表の合宿で激励されてから163日ぶりの再会。「少しでもジャパンのことを意識してくれればいいな」とのメッセージも届いた。「うれしいです。だからこそ、しっかりと今のうちに土台づくりをやっていかないといけない」。18歳の言葉にも力がこもった。

 稲葉監督が、スーパールーキーの動きを直接チェックすることはなかったが、情報収集は怠らなかった。「井口監督も期待していると言っていた。吉井さんからは“五輪を見据えて育てていく”と話もしてもらった」とした上で「ルーキーだけど、まだ半年ある。こちらも固定観念を持たずにしっかりと見ていきます」と言った。

 金メダルを目指す東京五輪に、高卒ルーキーの選出は現実的ではない。しかし、稲葉監督とヤクルト時代に同僚だった吉井投手コーチは「リップサービスではない。コーチとしてではなく、一ファンとして、ああいう凄い投手が五輪で投げるところを見たい」と言った。

 第1クールは40メートルのキャッチボールでフォーム固めをしたが、第2クール初日を迎え、平地ながら初めてプレートから本塁までの18・44メートルで11球を投げた。相手を務めたドラフト4位・横山(専大松戸)が逃げるように捕球するほど強烈な球で、吉井コーチが「横山、頑張れ!」と叫ぶほどだった。コンディション次第ではキャンプを打ち上げる13日にもブルペン入りする可能性があり、いよいよ力が入ってきた。

 「いつもより距離が近かったので、気持ち良かった。球が走っている感じがした」

 東京五輪の先には、来年3月にWBCがある。朗希が日の丸のユニホームに袖を通した姿を見たい。無限の可能性を秘める163キロ右腕に、誰もが、そんな期待を寄せている。 (横市 勇)

 ≪東京五輪の投手枠11~12人 6月上旬メドに選考≫東京五輪の選手枠は24人で、うち投手は11人か12人になるとみられる。稲葉監督は6月上旬をメドに24人を最終決定する方針。プロで実績のない佐々木朗が東京五輪のメンバー入りするには、少なくともそれまでに1軍デビューし、アピールするしか道はない。

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