日本ハム・輝星が目指す“曲がらない”カット――金子“直伝”打者が気付かないほどの変化が有効

[ 2020年2月5日 05:50 ]

カットボールを投げる吉田輝(撮影・高橋茂夫)
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 曲がらない――。そう見えるカットボールが日本ハム・吉田輝の理想だ。2軍の沖縄・国頭キャンプ2度目のブルペン。50球のうち、カットボールは変化球では最多の13球を投じた。そして投げるたびに捕手に「曲がっていますか?」と確認した。

 プロ1年目の昨季も持ち球として投じていたカットボール。だが、吉田輝は元々直球がカット気味の軌道のため、変化量がスライダーに近く打者に見極められやすかった。昨季途中に球団のアナリストとも相談し、直球の握りから角度をわずか5度だけずらし「直球と同じように下に叩きつけるイメージ」で投げると精度が向上。同時に変化球を投げる際に腕が緩む悪癖も解消した。

 試行錯誤を重ねる中で背中を押してくれたのが、球界屈指の変化球の使い手である同僚・金子からの助言だった。昨年、1軍での練習中に「自分から見て動かないぐらい(の変化)が打者も嫌。打者も曲がっているのに気付かないから」とアドバイスを受けた。変化球は曲げるもの。その固定概念を捨てることができた。

 昨季のプロデビュー戦となった6月12日の広島戦では自慢の直球で押しまくり初勝利を挙げたが、それ以降は決め球となる変化球がなく、直球を狙い打ちされた。思い描くのは打者有利のカウントで直球狙いの打者に対し、微妙に変化するカットボールで打ち損じを誘い「1球でアウトを取る」こと。球数を減らすことができれば目標の先発ローテーション入りも近づく。今キャンプ中の完全習得を目指し、腕を振る。(東尾 洋樹)

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2020年2月5日のニュース