中日・渡辺、一本足打法で“12球団1号”!王さん育てた荒川博氏「最後の弟子」

[ 2020年2月5日 05:30 ]

北谷キャンプ・紅白戦   紅組4ー0白組 ※特別ルール ( 2020年2月4日    北谷 )

<中日キャンプ紅白戦>一本足打法で打席に立つ渡辺勝(撮影・椎名 航)
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 荒川博氏の「最後の弟子」が今春の12球団1号アーチを放った。中日の渡辺勝外野手(26)が4日、沖縄・北谷で行われたチーム初の紅白戦で4回無死から右越えソロ。12球団の実戦で一番乗りとなる一発に「風のおかげですけど、打った瞬間、感触が良かった。切れなくて良かった」と喜んだ。

 2―1から岡田の直球をジャストミート。風に乗った打球は右翼ポール際へ吸い込まれた。打席では構えた際に軸足の左足だけで立つ。一本足打法。巨人の打撃コーチとして通算868本塁打の王貞治氏(ソフトバンク会長)を育てた故・荒川博氏に中学時代、教わった打ち方だ。「荒川道場」の秘蔵っ子。王氏は現役時代、日本刀で紙を切る特訓を繰り返したが、渡辺は名刺を左手に持って割り箸10本を切ることができる。合気道にも通じた荒川氏直伝の技だ。

 その特徴的な打法を武器に昨季、育成から支配下登録を勝ち取った。しかし、初めて経験した1軍では27打数4安打の打率・148。一本足打法は動作が大きく、1軍の直球に対し始動が後れてタイミングを外されるなど迷いが生じていた。

 迷いが吹っ切れたのは年明けだった。王氏と直接会う機会に恵まれ、悩みを打ち明けた。世界の本塁打王の言葉は「自分が一番打ちやすいフォームを貫け」。これまでは棒立ちに近かったが、左膝を柔軟に使い、始動も早めて振り遅れないよう意識した。キャンプ初実戦で早速、結果を出したが「シーズンが始まって投手の球をどう捉えるかが大事」と浮かれる様子はない。

 12球団での実戦最速アーチ。実は「令和最初の三振」を喫したのも渡辺だった。昨年5月1日の巨人戦に1番・左翼で先発し、初回の第1打席で菅野から空振り三振。「いろいろ、“1”に恵まれてますね。縁起がいいと思うようにします」。大島、平田に次ぐ外野のレギュラー獲りに“1”本足打法の男が名乗り出た。(徳原 麗奈)

 ◆渡辺 勝(わたなべ・まさる)1993年(平5)10月14日生まれ、神奈川県出身の26歳。東海大相模では2年春夏、3年春と3度甲子園に出場し、3年春のセンバツで全国制覇。東海大ではベストナイン2度、4年秋には首都大学リーグのMVPに輝いた。15年育成ドラフト6位で中日に入団。18年オフに支配下登録され、昨年4月14日の阪神戦でプロ初安打を放った。1メートル72、80キロ。右投げ左打ち。

 ◆荒川 博(あらかわ・ひろし)1930年(昭5)8月6日生まれ、東京都出身。早実では3年春のセンバツにエースとして出場。早大で外野手に転向し、53年毎日(現ロッテ)に入団。通算9年間で803試合に出場し、打率.251、16本塁打、172打点。引退後の62年から巨人打撃コーチを9年間務めた。73年にヤクルトの打撃コーチに就任。74年からヤクルトの監督を務めた。16年12月4日に心不全で死去。享年86。

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