松坂、西武入団会見で感じた決意 ベテランもルーキーも新たな1年へ

[ 2019年12月25日 10:30 ]

背番号16を披露する松坂(撮影・尾崎 有希)
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 2019年も残すところあと1週間。プロ野球界は今オフ、選手の移動が活発だった。メジャー移籍を目指す選手も豊富で、FA選手の移籍も多く、構想外になったベテラン選手がチームを離れるケースも多かった。

 12月11日。都内ホテル。西武に復帰することになった松坂大輔投手の記者会見を取材した。プロ1年目が99年。ちょうど20年前のことだが、実は記者も入社1年目だった。大学まで野球部に所属していたこともあり、入社1年目は西武のルーキー・松坂の先発日は、必ず会社で西武戦を見た。紙面に載せる球速、コース、結果が記された全投球表を作る役目だった。あれから20年。松坂投手はプロ1年目との変化を問われてこう言った。「たくさんあります。球も遅くなりましたし、やりたくないと思っていた球を動かすピッチングもしています」。そして、「でも今の自分ができるかたちを100%出していきたい」と続けた。

 平成の怪物と言われた松坂投手も、この20年で光と影を味わい、ずっと自分と向き合っていたのだと思う。この入団会見の冒頭、右腕は「手短にお願いします」と笑ったが、結局、約30分、真摯に質問に答えた。心に残ったのは、あと30勝という日米通算200勝への「周りは無理だという人が多いかとは思いますけど、自分自身、あきらめることはしたくない」のコメントと「まあ、期待されていない方の方が多いと思いますけど、それを少しでも覆せるように、はい、やっていきたいと思います」という言葉。自分の置かれた状況を冷静に把握しつつも、アスリートとしてまだ勝負し続けるという決意がこもっていた。

 令和の怪物ことロッテ・佐々木朗希投手がプロのスタートを切る2020年。平成の怪物をはじめ「衰えた」と言われるベテランも、まだ「もうひと花」と新たなシーズンに臨む。1週間後にはじまる新たな年は、どんな人間ドラマが生まれるのだろう。新たな1年を迎える準備を、この7日間でしっかりしようと思う。(記者コラム・春川 英樹)

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2019年12月25日のニュース