雄星、大谷、そして佐々木 投と打の相乗効果と地理的要因が育んだ岩手の剛腕

[ 2019年10月12日 09:10 ]

大船渡・佐々木
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 運命のドラフト会議まで1週間を切った。最注目の大船渡・佐々木朗希投手は既に、1位指名を公言する日本ハムを除いた11球団と面談。ソフトバンクの福山龍太郎アマスカウトチーフが「私の20年間のスカウト人生で、彼ほど素材感のある投手は見たことがない」と言えば、ヤクルトの斉藤宜之スカウトも「日本の宝、世界の宝になる選手」。最高評価であることは間違いない。

 2日に行われたプロ表明会見で佐々木は「次のステージで野球をやる上で(163キロを)超えていきたい」と高校史上最速の直球から、さらなる進化を宣言。現時点で日本人の最速はエンゼルス・大谷の持つ165キロで、その更新が期待される。一方で左腕の最速はマリナーズ・菊池の158キロ。これまで多くの有識者が指摘してきたように、3人の「最速投手」がいずれも岩手出身というのは偶然にしては出来すぎている。

 以前、この話題について岩手県の野球関係者に見解を聞ける場面があった。12年に高3時の大谷を擁した花巻東を岩手大会決勝で破った、盛岡大付・関口清治監督は「うちは菊池君に敗れてから、150キロを超える球をどう打つかを真剣に考えた。彼がいなければ160キロ超えのマシンで練習することもなかったと思う」と語った。

 さらに「速球をどう対策するかが岩手の高校野球の課題となって、打者は速球をどう打つか、投手はそれをどう上回るかを考えている。相乗効果でレベルが上がっているのではないか」と説明した。菊池の出現以降に、岩手の高校野球の礎が築かれたという考えだ。

 また、岩手高野連の大原茂樹理事長は「岩手県の栄養が豊富な海産物を食べてきたという、理由はあると思います。あとは坂道が多く電車も少ないため、移動が自転車の生徒も多いのですが、それで足腰を鍛えられるという部分もあるかなと」と地理的な要素で説明。答えを絞ることはできないが、さまざまな要素が絡み合って剛腕の誕生につながっているのだろう。

 大谷、菊池はプロ入り以降も成長を続け、メジャーで活躍するレベルにまで達したというのも共通点だ。佐々木も自身で「まだ伸びしろはある」と成長過程であることを話すようにまだ底は見えていない。ドラフト会議は17日。岩手が生んだ3人目の怪物の行く先を見届けたい。(記者コラム・武田 勇美)

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