ソフトB、千賀で日本S王手!エース意地の有言実行 “お化けカット”で8回10K零封

[ 2019年10月12日 05:30 ]

パ・リーグCSファイナルステージ第3戦   ソフトバンク7―0西武 ( 2019年10月11日    メットライフD )

4回1死二塁、2ランを放った牧原(左)を出迎える牧原(撮影・久冨木 修) 
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 さあ、パ初の“逆スイープ”だ!レギュラーシーズン2位のソフトバンクが11日、西武を7―0で下して3連勝。これで3勝1敗(西武のアドバンテージを含む)とし、3年連続となる日本シリーズ進出へ王手をかけた。エース・千賀滉大投手(26)が8回2安打無失点、10三振を奪った。12日は台風19号の影響を受けて試合はないが、13日の第4戦を制し、リーグ優勝を西武に譲った悔しさを晴らす。 試合結果

 有言実行の快投だった。千賀は試合前、登板過多の中継ぎ陣に宣言した。

 「負けてもいいから、僕が8回を一人で投げる」

 初回、先頭の秋山に安打を許しても慌てない。4回までに5点の援護をもらい、7回まで1安打投球。8回に源田に内野安打を許したが、予告通りの8回を2安打で投げ切り「とにかくモイネロ、森さんを休ませようと。それが目標だったのでできてうれしい」と胸を張った。

 「お化けフォーク」が代名詞の右腕だが、この日の軸球は「カットボール」だった。126球中42球。前回登板した5日の楽天戦では125球中、18球だっただけに、組み立てはガラリと変わった。今季の西武戦は対戦チーム別では最も悪い防御率3・94。「一瞬でも気を抜いたら5、6点入れられる。集中して投げられた」と振り返った。春季キャンプから本格的に取り組んだカットボールもさえオール空振りの10奪三振。王貞治球団会長は「シーズン中に見たことのない投球だった」と驚き、女房役の甲斐は「幅が広がった」とうなった。

 左手に赤いグラブをはめてマウンドに立った。5日の楽天戦は、ポストシーズン最多に並ぶ4発を浴びて敗戦投手になった。同戦は黒いグラブでマウンドに上がったが、試合途中に赤に変更。「大した理由ではないですけど…。何となく赤かなと思って」。開幕戦でもはめた闘志をかき立てるカラーが、大一番での快投を支えた。

 9日のファイナルS初戦で敗れれば、中4日で先発するプランもあった。チームが勝ったために中5日での先発となり「難しかったけど、ここに来て新しいことに取り組むことはないので」と冷静さは失わなかった。

 工藤監督は「ボールが走っていたし低めを意識していた。隙がないと言うか、見事な投球。大したもの」と絶賛。チームはファーストSからパ・リーグ最長となる5連勝で、3年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。敵地でお立ち台に上がった千賀は「あと1勝できるように頑張ります。僕は応援します!」と声を張り上げた。 (川島 毅洋)

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